【特集】池松和彦先輩に続け! 三井高が2回戦突破【2008年8月2日】






 北京オリンピックまであと一週間。8月1日には東京・京王プラザホテルで日体大レスリング部の五輪壮行会が華やかに行われた。この日、埼玉・東松山市ではインターハイのレスリング競技が開幕。高校教員として地方に散らばる日体大OBたちも多く駆けつけた中、盛大に行われた。

 男子フリースタイル66s級の池松和彦(K-POWERS)の母校・三井(福岡)は、インターハイの学校対抗戦に出場、初戦の2回戦で池田(徳島)に5−2で勝利し3回戦進出を決めた。

 三井を率いる森岡敬志監督は池松の恩師。池松が前回のアテネ五輪に出場して以来、同高選手の士気が高まったという。池松はとても後輩思い。今年の4月からは福岡大学に籍を置くが、それ以前にも地元に里帰りするたびに母校に足を運び、高校生と一緒に汗をかいて指導にあたってきた。森岡監督は「池松は、教え子たちの目標になっています。私が教えるより、池松が教えたほうが子供たちが真剣に聞いています(笑)」と、池松の影響力が三井の強さに繋がっているようだ。

 池松が一時の大スランプからはい上がって2大会連続出場を決めただけに、森岡監督ら三井関係者の喜びはひとしおだった。そんな喜びの連鎖が三井では続いている。2日前に行われた世界ジュニア選手権で三井高OBの平川臣一(専大3年=120s級)が男子グレコローマンで表彰台に上がったのだ。グレコローマンでの表彰台は23年ぶりの快挙である。

 そして、三井の現役部員を仕切る主将は平川の弟の翔次だ
(左写真)。84s級で個人戦でも優勝候補の一角。練習もよくするし部員の手本だという。また、チームを支えているのは2年生ながら奮闘する軽量級。そのうち55s級は森岡監督の次男だ。初戦でもリードを許しながら天性のレスリング感で逆転フォール勝ちし、チームに流れを呼び込んだ。

 大先輩・池松が2大会連続五輪、そして卒業3年目の平川が世界の舞台で鮮烈デビュー。「残るは、お前たちだけだって、激を飛ばしています」と森岡監督。2度あることは3度ある。“三井”の快進撃はまだまだ続くか?

(文=増渕由気子)


《iモード=前ページへ戻る》

《前ページへ戻る》