福田富昭会長がFILA理事に再選される【2008年8月11日】






 国際レスリング連盟(FILA)は8月10日、北京市内で総会を開き(右写真)、ラファエル・マルティニティー会長(スイス)を無投票による信任で会長に再選した。2002年から会長を務めてきた同氏は2期目に入る。

 同時に、任期(6年)が切れる5人の理事の選挙が行われ、10人が立候補。日本協会の福田富昭会長が104評中78票を獲得し、トップ当選した。1996年に理事に就任以来、3期目の理事となる。

 他に、チャバ・ヘゲダス(ハンガリー)、ミハイル・マミアシビリ(ロシア)、チェノ・チェノフ(ブルガリア)が再選され、アクロルジャン・ルジエフ(ウズベキスタン)が復帰した。

 福田会長は「選挙は水もので、厳しい闘いだったが、とりあえずホッとした。日本人が理事からはすれてしまうと、FILAの中で発言権が弱くなってしまう。これからの6年間の活動に全力を尽くしたい」と話した。一方で、「理事をやるのは今回で終わりかな」とも話し、「後継者を育てなければならない」との懸念も口にした。

 今回、世界V8のバレンチン・ヨルダノフ(ブルガリア)や、2004年アテネ五輪ほか世界選手権3度優勝のエルブラス・テデエフ(ウクライナ)が立候補しながら、全く票を取れなかった事実を指摘し、「選手時代の実績だけでは駄目。国際外交力、政治力、言葉など幅広い分野での能力が必要」と話し、6年をかけてFILA内で通用する力をもった人材を育てたいとしている。
(左写真=理事に再選されたあと、10月の東京・世界女子選手権の宣伝広報演説をする福田会長)

■総合格闘技とのリンクも視野に

 総会では、現在の加盟国・地域は「165ヶ国・地域」であることが報告され、香港など申請中の国・地域も数ヶ国あるという。

 米国代表から「2012年ロンドン五輪は、3スタイルとも6階級で実施するのはどうか」との要望があったが、マルティニティー会長は「それはやらない。国際オリンピック委員会と3スタイル7階級の実施を粘り強く交渉していきたい」と答えた。

 ほかに、「FILAはあらゆる格闘技を統括する」との方針を確認。ビーチ・レスリング、グラップリング、パンクレーション、ベルト・レスリング、アフリカン・レスリングのほか、ミクスド・マーシャルアーツ(総合格闘技)とのリンクも目指すことが報告された。この流れを推し進めている福田会長は、「いい形をつくっていきたい」と話した。

 なお、昨年秋からスタートした世界レスリング・ゲームズでは、3年以内にこれらの「ノン・オリンピック種目」の世界大会を実施したいとの方向性は示された。一方で、サンボは現存する国際サンボ連盟との交渉がうまくいかず、FILAでは扱わないこととした。


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