伊調馨(ALSOK綜合警備保障)が五輪V2、浜口京子(ジャパンビバレッジ)は銅メダル…北京オリンピック第5日【2008年8月17日】






 北京オリンピックのレスリング競技第5日は8月17日、中国農業大学体育館で女子2階級が行われ、63kg級の伊調馨(ALSOK綜合警備保障=写真右)が3試合に勝って決勝進出を決め、アレナ・カルタホワ(ロシア)を2−0で破って優勝。アテネ五輪に続いての連覇を達成した。72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ=写真左)は準決勝で地元の王嬌(中国)に敗れたものの、3位決定戦でアリ・バーナード(米国)を2−0で破り、アテネ五輪と同じ銅メダルを獲得した。

 伊調は2回戦(初戦)と3回戦を順調に勝ったあと、準決勝で67kg級3年連続世界2位のマルティン・ダグレニエ(カナダ)に苦戦しながらも勝ち、決勝進出を決めた。決勝は59kg級で世界一になったことのあるカルタショバ相手に第1・2ピリオドともクリンチでの勝負になったが、防御ででも負けずに2−0で勝ち、優勝を決めた。

 浜口は1回戦で2006年世界3位のエレナ・ペレペルキナ(ロシア)を2−1で下し、2回戦もフォール勝ちしたが、準決勝で地元選手にフォール負け。その後の3位決定戦で勝った。

 第5日の成績は下記の通り(表彰式撮影=保高幸子)。


 ◎女子

 【63kg級】伊調馨(ALSOK綜合警備保障)      優勝=17選手出場

1回戦  BYE

2回戦 ○[フォール、2P0:46(2-0,3-0)]Olesia Zamula(アゼルバイジャン)

 《試合経過》第1ピリオド中盤、伊調は相手を引き落とし、粘られながらもバックを取って1点。さらに相手の突進をかわしてバックへ回り2−0とした。第2ピリオドは相手のタックルを押しつぶし、そのままフォールを奪った。

【1P】大歓声を背に受けてまっとに上がった伊調 【1P】相手を引き落としてポイントにむすびつけた。 【1P】さらに突進をかわしてバックを取り2−0へ。 【2P】相手のタックルをつぶし、体を返して一気にフォール。

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3回戦 ○[フォール、2P1:20(3-0,F4-0)]Randy Miller(米国)

 《試合経過》第1ピリオド、相手のタックルをかわした伊調が1点を取り、ガッツレンチで3−0。このスコアを守った。第2ピリオドもカウンターの正面タックルでテークダウンを奪うと、またさきでニアフォール。上四方固めに移行しフォールした。

【1P】宿敵マクマンに代わって出てきた選手に先制攻撃。 【2P】ガッツレンチで2点を加え、3−0へ。 【2P】相手のタックルをカウンターのタックルで返した。 【2P】必殺のまたさき、そしてフォールへもっていった。

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準決勝 ○[2−1(1-0=2:30,0-1,@L-1)]Martine Dugrenier(カナダ)

 《試合経過》第1ピリオド、一進一退のまま0−0で終了。攻撃権を取られた伊調だが、相手をつぶして回りこみ1点を取った。第2ピリオド、中盤過ぎに右足を取られた伊調は、必死にこらえたが1失点。再度右足を取らたが、こらえてバックへ。しかしタイムの方が早かったようでノーポイント。0−1で落とした。

 第3ピリオドも中盤過ぎに伊調が右足を取られ、もつれて1失点。しかし体を入れ替えて1−1へ。このままのスコアで試合終了。薄氷を踏むような勝利だった。

【1P】クリンチの防御の伊調は粘って自分のポイントへつなげた。 【2P】片足タックルからわき腹につかれて1失点。 【3P】相手は片足タックルから粘って1点。伊調のピンチ。 【3P】しかし、すぐに体勢を入れ替え1−1へ。ラストポイントで勝つ。

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決 勝 ○[2−0(1-0=2:30,2-0=2:04)]Alena Kartachova(ロシア)

 《試合経過》第1ピリオドは0−0で終了。ボールピックアップで負けた伊調だが、相手の攻撃を30秒間耐え、1点を獲得してこのピリオドを取る。第2ピリオドもお互いに決め手がなく、0−0で2分間を終了。攻撃権を得た伊調はしっかりとテークダウンを取り、勝利を決めた。

【1P】欧州チャンピオンとの一戦はなかなか攻めらず。 【1P】クリンチの防御になった伊調はうまい身のこなしで防ぐ。 【2P】最後はレッグホールドを狙ったが、30秒無失点で1点獲得。 【2P】今度はクリンチの攻撃権。タックル返しを狙うカルタホワ。

【2P】しかし伊調はしっかりと覆いかぶさり決勝の2点。 【2P】優勝を決めた直後、顔を手で覆って天を仰いだ。 【2P】日の丸をバックに栄監督、木名瀬コーチから肩車。 【表彰式】五輪2大会連続、世界大会としては8年連続世界一。

 【72kg級】浜口京子(ジャパンビバレッジ)      3位=16選手出場

1回戦 ○[2−1(1-0,0-1,2-0=2:00]Elena Perepelkina(ロシア)

 《試合経過》第1ピリオド、1分20秒すぎに浜口が片足タックル。これは防がれてブレークとなったが、すぐに同じように片足タックルを決めて貴重な1点。第2ピリオドもななかなポイントが取れず、1分30秒すぎ、浜口は片足タックルで攻めたが、かわされて痛恨の1失点。

 第3ピリオドはお互いに決め手がなく、0−0で終了。ボールピックアップで勝った浜口。相手は手をきちんと浜口の背中におかず、2度の注意でコーションを取られて浜口の手が上がった。

【1P】一進一退だったが終了間際に浜口が片足タックルで1点。 【2P】片足タックルで攻めたが、自分の失点になってしまった。 【3P】タックルを狙うが0−0。クリンチ勝負へ。 【3P】相手がしっかりとしたクリンチを取らず、闘わずに浜口の勝ち。

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2回戦 ○[フォール、2P1:19(1-0,4-0)]Rosangela Conceicao(ブラジル)

 《試合経過》第1ピリオド、相手の右脚へのタックルで浜口が1点を先制。この1点を守った。第2ピリオドは引き落として1点を取ったあと、腕を取ってがっちり固めでフォール勝ち。

【1P】片足タックルで1点を先制した浜口。 【1P】アンクルホールドを狙ったが、これは不発。 【2P】引き落としてバックを取った後、ガッツレンチ狙い。 【2P】腕取り固めに移行して一気にフォール。

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準決勝 ●[フォール、2P0:46(2-5、F3-0)]Wang Jiao(王嬌=中国)

 《試合経過》第1ピリオド開始早々、浜口がタックル。王嬌は待ってましたとばかりにがぶり返して浜口の体を回転した。浜口もすぐに体を預け、スコアは2−2。しかしラスト30秒くらいで、右足へタックルを受け、

【1P】浜口は開始早々のタックルをがぶり返しで返された。 【1P】こらえて逆にニアフォールへ追い込むが…。 【1P】腕を取ってフォールへ追い込むが、危険技とみなされた? 【1P】2−2のあとバックを取られ、ガッツレンチで回されてしまった。

【2P】タックルへいき、テークダン寸前に追い込んだが…。 【2P】こらえた相手に外無双(?)。体勢が崩れ自ら1失点。 【2P】バックへ回られた浜口は右腕を取られてしまった。 【2P】体を返され、無念のフォール負け。

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3位決定戦 ○[2−0(3-0,3-1)]Ali Bernard(米国)

 《試合経過》第1ピリオドの15秒、浜口が足首を取りにいくタックルで1点を先制。その後も相手のタックルをしっかり見て回りこむこと2度で3−0とした。第2ピリオドは33秒に引き落として1点を先制。中盤にタックルをつぶして2−0とし、後半もにバックを取って1点。この時グラウンドでもつれてバックをやってしまったが、3−1でこのピリオドをものにした。

【1P】足首を狙ったタックルで1点を先制した浜口。 【1P】すぐにグラウンドでの加点を狙ったが、これは不発。 【1P】相手のタックルをしっかり切ってポイントにつなげていった。 【2P】1点を取ったあとも相手のタックルをつぶし確実に点を取った。

【2P】相手の攻撃はことごとくカットした浜口。 【2P】銅メダルを決めたあと、場外で大の字になった。 【2P】栄監督、金浜コーチからの勝利の肩車。 【表彰式】銅メダルを取り、サポーターの声援にこたえる。


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