順調な減量に好成績を確信…松永共広の無二の親友・田子真二さん語る【2008年8月20日】



 「無類の負けず嫌い」と日体大レスリング部時代からの親友・田子真二さん(右写真)がもらす松永共広(ALSOK綜合警備保障)が北京五輪男子フリースタイル55kg級の決勝のマットに上がった。

 初戦と準決勝をフォール勝ちで制すなど調子は絶好調。3回戦の相手は2003・05年の世界王者であり、松永も倒したいと言っていたディルショド・マンスロフ(ウズベキスタン)。この難敵に対しても2−1で勝ち、負けず嫌いぶりを発揮した。

 今回の松永はいつもと違ったと田子さんは言う。減量中の松永と共にサウナに入り話をした際のことだ。試合前の減量でいつもは頬がこけてしまうというが、今回はそれがなかったと語る。「水分で落としていないから今回は動けるんじゃないか」−。

 松永のことを近くで見ていた親友だからこそわかる言葉通り、決勝へと駒を進めた松永。だが、決勝での様子は準決勝までの様子と少し違っていた。日体大監督で普段松永の練習を指導している安達巧監督は「決勝では脚を触らせてしまう悪い時の松永の負け方が出てしまった。準決勝まではそれが出ていなかったから安心をしていたんだけど…」と話す。

 田子さんは「(グラウンドでもつれて)2−2となってしまったことが流れを変えてしまった要因の一つではないか」と語った。結果は1ピリオド目が2−2のビッグポイント負け、2ピリオド目が0−3となり、ストレートでパンアメリカン王者に負けを喫した。

 だが、準決勝まではだれもが口を揃えて「最高の試合」をしていた松永に、安達監督は「本当にご苦労さんと言いたい」と言う。田子さんも「本当に惜しかった。金に近い銀メダルだと思うけど、負けず嫌いなので、本人が一番悔しいと思います。でもよくやった。まずはしっかりと休んでほしい」と無二の友をねぎらった。

(文=藤田絢子)


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