【特集】「気が緩んだのかも」(日体大・安達巧監督)。全日本学生グレコ選手権での巻き返しは?【2008年9月19日】



 8月の全日本学生選手権(インカレ)両スタイルで8階級を制覇した日体大が、全日本学生王座決定戦でまさかの準優勝に終わった。1回戦シードで迎えた初戦の拓大は5−2、準決勝の東洋大は6−1で勝ち、2連覇へ視界は良好だった。

 決勝戦のオーダーは、2人がインカレ王者で6人が入賞者というのオーダーで臨んだ。相手は、インカレで惨敗し、この大会で起死回生を狙っていた早大。勝負のキーポイントと思われていた一番手の55s級・石山雄平が藤元洋平(早大)にクリンチで勝利をものにし
(右写真)、60s級の前田翔吾が早大の主将・安沢薫に逆転勝ちで2−0とリードを広げた。

 だが、勝負どころを青写真どおりに勝利を収めたことが、「逆に気が抜けてしまった」(安達巧監督)。66s級ではインカレ2位の志土地翔太が、ルーキーの石田智嗣に2度のクリンチ勝負で敗退。74s級の山名隆貴も大月葵斐にローリング地獄でバラされてしまい、軽量2階級で得た貯金を使い果たしてしまった。

 84s級インカレ王者の松本篤史は難なく勝利を収めたが
(左写真)、96s級ではインカレ2位の黒川渉がまたも早大ルーキーの山口剛に開始早々のフォール負け。このフォールで完全に流れが早大へ。“大将戦”ではインカレ王者の下屋敷圭貴が勢いに飲まれてストレートで敗れてしまった。

 「やられたー」と言いながら会場を後にしたのは藤本英男部長。安達監督は「負けた気がしないけど、前半2つ勝ったことで安心してしまったよね」と早大の意地に完敗宣言。インカレは日体大OBたちの五輪奮闘効果が実って大勝したが、団体戦では今年度はリーグ戦に続いて優勝を逃した。4年ぶりの“無冠”を回避するために、10月の全日本学生グレコローマン選手権での”ぶっちぎり優勝”を誓った。

(文・撮影=増渕由気子)


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