伊調千春・馨(ともにALSOK綜合警備保障)が世界女子選手権を辞退【2008年9月23日】



 日本協会は9月22日、来月11〜13日の世界女子選手権(東京・代々木第1体育館)の48kg級代表の伊調千春選手と、妹で63kg級代表の伊調馨選手(ともにALSOK綜合警備保障)の出場辞退を、両選手が同席して発表した
(右写真:会見する高田裕司専務理事、伊調馨、伊調千春、富山英明強化委員長=右から)

 伊調千は6月ころから右足首の滑膜炎に悩まされていたことに加え、北京オリンピックの2回戦(対イリーナ・メルレニ=ウクライナ)で左脚ふくらはぎの肉ばなれの負傷を負った。治療に努めたが現段階で完治しておらず、「減量も難しい状況。このまま出場しても、関係者や応援してくれる人に多大な迷惑をかける」と説明。

 伊調馨は北京オリンピックの決勝戦(対アレナ・カルタホワ=ロシア)で右ひざ外側じん帯を損傷。日常生活に支障のないまでに回復したものの、走ったり、レスリングの横の動きなどができる状況になく、姉と同様の理由で辞退を決めた。

 両選手は、オリンピック直後にはマットを降りる可能性も口にしていたが、伊調千が「レスリング好きなので続けます。ロンドン五輪を目指します」と、伊調馨が「まずヒザを直したい。まだ4年後のことは考えられないけれど、1年1年やっていけば、最終的にロンドン五輪という大きな目標があると思う」と、それぞれロンドン五輪を目指す意思を口にした。伊調千は海外留学も視野に入れ、「アメリカかカナダで英会話の勉強をしたい」とも話した。

 日本協会の高田裕司専務理事(山梨学院大教)は「きょう福田会長を含めて話し合い、最終的な結論を出した。今後のためにも無理をさせることはできない。苦渋の決断です」と話した。富山英明強化委員長は代替選手について、今月25日からの全日本女子合宿初日に強化委員会で決め、発表すると説明した。


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