日体大レスリング部OB率いる滋賀・野洲高サッカー部が日本一へ





 年末年始恒例の全国高校サッカー選手権で9日、日体大レスリング部OBの山本佳司監督率いる滋賀・野洲高が決勝で鹿児島・鹿児島実高を延長の末に下し、初の日本一に輝いた。

 日体大時代に山本さんを教え、ドイツのケルン体育大学への留学を勧めた藤本英男部長(当時監督)は、成人式恒例の20歳部員のマラソン(渋谷・ハチ公〜横浜市・健志台校舎)に参加しており、試合は見ていなかったという。しかし、同じくマラソンに参加した米山巌OB会会長とともに、「種目は違うけれど、2位に終わってもOB会としてお祝いしよう」と話していたという。

 そこへ優勝の報が入り、「本当にうれしかったよ」と興奮さめやらぬ様子。「高校のサッカーを変えると言っていた。それに対しての反発もあったと思うが、それをやり遂げた。すごいヤツだよ」とベタほめ。

 日体大時代の2年先輩のソウル五輪金メダリスト、佐藤満・専大コーチは「試合を見て、涙が出ました。身内の快挙です。オリンピックのレスリングで金メダルを取ることと同じくらい素晴らしいことです」と感慨無量。山本さんが水口東高校に勤めていた時、招待されてサッカー部員に自らの経験を話したこともあるそうで、サッカーの世界に行っても、レスリングのことを大切にしてくれていたという。

 試合前日の会見では、レスリングをやっていたことを問われて「関係ありません」と、過去のことの取材にいい顔をしなかったとのことだが、佐藤コーチは「それはサッカー監督としてのプライドでしょう。今でもレスリングへの恩義を忘れていませんよ。1回戦に勝ったあと、応援に来てください、という電話をしてくれました」と話す。

 「彼なら、レスリングの指導者になっても、いい選手を育てられたと思います」と後輩に最大級の賛辞を送った。

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