日体大レスリング部OB率いる滋賀・野洲高サッカー部が日本一へ王手!





 年末年始恒例の全国高校サッカー選手権で、滋賀・野洲高が7日の準決勝(山口・多々良学園高戦)に勝って初の決勝進出を果たしたが、同チームは滋賀・水口高〜日体大レスリング部OBの山本佳司さんが率いている。1985年3月に卒業組で、同期生には1988年ソウル・92年バルセロナ五輪代表の原喜彦さん(新潟・県央工高監督)や、静岡・飛龍高校の監督として同校を全国高校選抜王者に育てたことのある井村陽三さんらがいる。

 高校時代に国体で上位入賞を果たした山本さんは、大学では学生王者に遠い成績だったそうだが、「学業が優秀で、実務能力もすばらしかった」(原喜彦さん)として主務に推され、4年生の時にはドイツのケルン体育大学との交換留学生の試験に合格。1年間、ドイツでスポーツ学などの勉強を重ね、そこで本場のサッカーに魅せられ、滋賀県の教員になったあとはサッカーの指導者としての道を歩み始めた。

 最初は水口東高校へ赴任し、そこでインターハイ出場を果たす一方、現在Jリーグで活躍する選手も育てている。その後、サッカーは全く弱かった野洲高校へ転勤となり、0からのスタートでチームをつくり上げ、日本一を目前とした。

 原さんは今でも年に1、2回会うことがあるそうで、山本さんはサッカーとレスリングとの違いを、「サッカーは夢を持てるが、レスリングはそれを持ちづらい。レスリングは1から教えなければならなが、サッカーは高校へ入ってくる段階で基本を身につけている」と話していたという。

 原さんは「素人のくせに、という中傷もあったと思う。そんな逆風を乗り越え、メジャーなスポーツで日本一を目の前にするなんて…。苦労したと思うけど、今は堂々と日体大レスリング部OBを名乗ってほしい」とエールを送り、「レスリング界は(山本さんに)見習うことがたくさんあると思う」と話していた。

 決勝は9日午後2時5分から、東京・国立競技場で鹿児島・鹿児島実高と戦う。



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