学生選抜チームが米国から帰国




 米国コロラドスプリングスのデーブ・シュルツ国際大会に出場した学生選抜チームが2月10日、雪のために予定より1日遅れて帰国した。

 佐藤満監督(専大教)は「技術は米国選手と遜色なかったが、体力面では差があり、2kgオーバー計量の大会では体力差がかなりあった選手もいた。世界で勝ち抜くための最低限度の体力が、まだついていないのかな、と感じた」と大会を総括。各所属でしっかりと練習を積んでほしい」と選手たちに要求した。

 フリースタイル120kg級で銀メダルを取った田中章仁(専大=
写真右)は「銀とはいえ、自分の思ったようなレスリングができずに不満は残る。もっと体力をつけたい」と、今回の成績におごることなく今後の飛躍を誓っていた。

 学生選手はこのあと、2月19、20日に週末合同練習、3月8〜12日に、NTS中央研修会(全国6ブロックの有望高校生、インカレ・チャンピオン等を対象)を開催して強化をはかり、3月31日にユニバーシアード(8月、トルコ)の代表選考会が行われる。


 佐藤満監督(専大教)の話「技術は米国選手と遜色なかったが、体力面では差があり、2kgオーバー計量の大会では体力差がかなりあった選手もいた。世界で勝ち抜くための最低限度の体力が、まだついていないのかな、と感じた。パワーというのは、毎日の練習で頑張ればついてくるもの。その意味で所属での日々の練習を大切にしてほしい。体力がしっかりとつきさえすれば、世界で勝ち抜ける選手ばかり。このメンバーの中から北京オリンピックの代表選手が出てくれると思う。

 グレコローマンでは銅メダル3個取ったが、フリースタイルが銀1個。NCAAを卒業したばかりのトップ選手がどの階級にもいて厳しかった。ただ、これから頑張れば必ず追いつけると思う。

 新ルールについては、アメリカの審判がまだしっかりと把握しておらず、場外に出ても1点を挙げなかったりで、戸惑うことがあった。日本は全日本選手権で実施しており、それ以外にもミーティングを繰り返しているので、対応という点ではしっかりできたと思う。

 これから8月のユニバーシアードに向け、学生の合同練習を多く実施するなどしてナショナル意識を高めたい。所属での練習が大切ではあるが、それだけでは足りない面がある。日本代表の意識を植え付けられるような練習をさせていきたい」


 嘉戸洋コーチ(日本協会ジュニア・コーチ)の話「初めての海外遠征の選手もいたので、まずまずだったと思う。新ルールは審判も戸惑っていた。選手もまだ戸惑っているが、慣れていくでしょう。グレコローマンはクリンチでの勝負ということが多くなると思う」


 久木留毅(NTS)コーチの話「NTSでずっとやってきた若手のメンバーが日本代表として海外遠征することになり、さらなる若手も加わって北京オリンピックへ向けていい体制が出来上がってきたと思う。フリースタイルは佐藤満、和田貴広コーチ、グレコローマンは伊藤広道、嘉戸洋コーチと、世界で通じる技術を持っているコーチがいるので、しっかりとマスターしてほしい。体力強化はJISS(国立スポーツ科学センター)の設備を使ってやっていきたい。

 今回は女子もやっていましたが、他国のレベルはかなり上がっています。女子もNTSの強化システムを使って強化していきたい。

 新ルールは、あまり意識してしまうと、今までやってきたことが無駄になるような気がします。試合数をこなしていけば適応できるような気がします。今回は審判もよく把握していなかったので、3月のポーランド・オープンでもう1度しっかりと研究はしたい。でも、セルゲイさん(ベログラゾフ=元全日本コーチ)がロシアでも不評だったと言っていて、グレコローマンに関しては、いずれパーテール・ポジションの選択が取り入れられるような気がしますね」




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