国際レスリング連盟がクリンチのルール改正を示唆




 国際レスリング連盟(FILA)は2月22日、公式ホームページ上でクリンチに関してのルール改正を示唆した(クリック=pdfファイル)。ことしの大陸選手権までに決めて実施したいとし、各国に賛否を求めているが、「返答のない場合は賛成するものとみなす」と通達しており、可決することを前提とした採決となっている。

 新しく示されたクリンチのルールは、グレコローマンのクリンチが大きく変わっている。従来はコイントスで勝った選手が、右組みが左組みかを選択して実施したが、それが相手の脇の下から両腕を差し込んで組む、いわゆる両(もろ)差しの状態からスタートとなる。組む位置は、腰の上ならあばら骨のところであっても、脇の下でもあってもよく、組んだならば相手の状態がどうなっていようともスタートのホイッスルが吹かれる。

 FILAのホームページでは、スイスの大会で行われたテストケースのビデオがアップロードされている(クリック)。また22日からスタートした男子グレコローマンの全日本合宿でも、富山英明強化委員長からクリンチのルールが変わる可能性のあることが選手に伝えられた
(写真右は、新しいクリンチのやり方を示す富山委員長)

 このルールが実施されたなら、両差しの状態からのそり投げやテークダウンをとる練習が必要となり、守る側は相手の両腕をかんぬきに決めて守ったり、いわゆる決めそり投げで勝負をかける練習が要求される。

 フリースタイルは、1月のコーチ・セミナーで、コイントスで負けた選手が取られる足を指定できるように変わったが、これが元に戻され、コイントスで勝った選手が取る足を指定できる方法が示されている。


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