【特集】「笹本はとても強い選手だったよ」…A・ナザリアン(ブルガリア)に聞く




 男子フリースタイルの全日本チームが参加した「ダン・コロフ国際大会」(ブルガリア・ソフィア)には、グレコローマン52・58kg級でアトランタ、シドニー両五輪を制覇し、世界選手権60kg級でも2度優勝している地元のアルメン・ナザリアン(30)が観戦に来ていた。

 アテネ五輪では、笹本睦(ALSOK綜合警備保障)と大激戦の末に疑惑の勝利で勝ち上がったものの
(写真右はアテネ五輪で笹本にがぶり返しを決めるナザリアン、写真下は会場に現れたナザリアン)、3位に終わった。しかし、世界のトップ選手であることには間違いなく、笹本が乗り越えなければならない選手だ。今後の選手活動などを聞いた。(通訳:筒井穣・日本サンボ連盟審判副委員長=セルビアモンテネグロ在住)


 ――アテネ五輪を振り返ってください。

 
ナザリアン「いつもと同じように、勝つつもりで戦ったが、笹本はとても強い選手だった。60kg級で一番強い選手(自分を除いて?)じゃないかと思う。彼とはシドニー五輪ででも戦っているが(テクニカルフォール勝ち)、アテネ五輪までの4年間で、すごく成長していた」

 ――優勝できなかった原因は?

 
ナザリアン「笹本との試合が非常にきつい戦いだったので、次のユ・イヒュン(韓国)戦で力が出なかった(1−3の判定負け)。それくらい笹本との試合がきつかった。ユ・イヒュンはコンディションがよかったと思う。前の年の世界選手権で8位か9位の選手だったと思うが(注・これはナザリアンの勘違い。前年の世界選手権の韓国代表は別の選手)、それでもチャンピオンになる力を持っていた。グレコローマン60kg級というのは最高にハイレベルの階級だったと思う」

 ――今後の選手活動は?

 
ナザリアン「続けます。今年は、欧州選手権(4月、ブルガリア・バルナ)は激戦の疲れを取っている最中なので出ないが、世界選手権(9〜10月、ハンガリー・ブダペスト)には出場するつもりだ」

 ――北京五輪は?

 
ナザリアン「目指している。ユ・イヒュンにリベンジしなければならない。北京五輪の後もあるかもしれない。でも、まず今年の世界選手権だよ」

 ――昨年の秋、日本で総合格闘技の大会「ZST」に出場する予定でしたね。

 
ナザリアン「大会前に鼻を折ってしまって、出場できなかった。オファーがあれば戦いたい」

――レスリング活動と並行してやっていくのですか?

 
ナザリアン「そうなるだろう。戦うことは同じだ。戦い続けたい」




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