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【特集】香川県の2選手が最多出場階級を制す…66kg級・湯田敬太(高松北)、74kg級・永井凌太(香川中央)
【2011年8月20日】

(文=樋口郁夫)




 全国高校生グレコローマン選手権で最多の83選手出場となった66kg級と74kg級。この2階級を制したのが、66kg級は湯田敬太(香川・高松北)、74kg級は永井凌太(香川・香川中央)の香川県選手で、奇しくも、ともにインターハイはベスト16の選手だった。(右写真:湯田=左=と永井)

 湯田は昨年3位の成績を残しているが、グレコローマンは得意なスタイルではない。3回戦でインターハイ2位の中村百次郎(佐賀・鹿島実)、準決勝でインターハイ学校対抗戦MVPの古谷和樹(茨城・霞ヶ浦)を破るなど、7試合を勝ち抜いての優勝に「まさか優勝できるとは思わなかった。びっくりしています」と信じられない表情を見せた。

 魚住彰吾(兵庫・育英)との決勝は、第1ピリオド、グラウンドの防御で回されて先取されるスタート。第2ピリオドは自分の攻撃となり、「1回まわしただけでは、第3ピリオドはボールピックアップになる。それは嫌だったので」と、ローリング1回転で攻撃の手をゆるめずに攻め、2度目も決めた
(左写真)

 これが効き、第3ピリオドは0−0ながらグラウンドの攻防を選択できることになり、防御を選んで守り切った。グレコローマンは得意ではないが、ローリングは得意なので、その持ち味を生かした勝利だった。

■五輪グレコローマンに2度出場の監督が指導

 74kg級で同じく7試合を勝って優勝した永井は、今村聖(群馬・大田商)との決勝は第1ピリオドのグラウンドをしっかり守り、第2ピリオドはローリングを2回転決めるという理想的な優勝。「目標は優勝だったので、うれしいです」と喜びを表した。

 グラウンドの防御は苦手で弱かったという。野々村孝監督(1992年バルセロ・96年アトランタ両五輪グレコローマン100kg級代表)の指導で徹底的にやり、「やっとできるようになった頃」だったという。攻撃には自信があったので、第1ピリオドの防御を守った段階で、かなりの確率で優勝を確信したそうだ。
(右写真=優勝し、野々村監督にガッツポーズ)

 香川県は、昨年も1人優勝し(60kg級・鴨居正和)、3位が2人と、グレコローマンで実力を見せている。県をあげての強化をやっているそうで、この大会前にも香川中央高校で合同合宿して臨んだ。2人とも「先生の指導がいいからだと思います」と口をそろえる。
 
 2人とも同じ大学へ進むことが決まっており、この優勝は大きな“土産”になりそう。さらに上を目指すためにも、国体で勲章を増やしたいところだ。



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