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【特集】高橋侑希(三重・いなべ総合)が史上3人目のインターハイ3連覇を達成
【2011年8月5日】

(文=文・撮影=池田安佑美、撮影=保高幸子)




 北東北インターハイで大記録が誕生した。55kg級の高橋侑希(三重・いなべ総合)が、過去2人しか達成していないインターハイ3連覇を難なく達成。1993〜95年の大橋理秀(大阪・吹田)、2002〜04年の松本真也(京都・網野)以来、3人目となる偉業を達成した。(右写真=3連覇を達成し、ガッツポーズの高橋)

 昨年は高校三冠王のほか、JOC杯ジュニアオリンピック(カデット)、夏にはユース五輪で金メダルを獲得し、同世代で抜き出た成績を残した。最終学年でも大車輪の活躍が期待されたが、3月の東日本大震災で全国高校選抜大会が中止となり、今季初の全国の舞台だった。

 「絶対に全国制覇すると決めて臨んだ」と、緊張や不安は一切なく、初戦から自分の力を全面に発揮。初戦をわずか18秒でフォール勝ちすると、快勝続きで準決勝までは失点0。決勝戦は昨年1−2で唯一辛勝している太田忍(山口・柳井学園)との顔合わせとなった。

■必殺のタックルを研究されてきたので、違う技でポイントを取れる技術を養成

 気合十分の表情を見せる太田の気迫は高橋に伝わっていた。だが、高橋は「すごく追い込んだ練習をしたし、勝てる自信があったから」と、開始早々からタックルで1点を奪うと、後半にも1点を追加し、第1ピリオドを難なく奪う。第2ピリオドは開始30秒に太田にバックポイントを許すが、すぐさま左タックルで1点を返す。後半、太田の猛攻撃をうまくいなしてブロック。タイムアップとともに、大記録は達成された。

 タックルからテークダウンを奪い、ローリングで仕留める−。高橋の必勝パターンだったが、今大会はこの型にはまった試合は少なく、変形型のタックルや崩しなどが多かった。

 いなべ総合学園の藤波俊一監督は「タックルがかなり研究されていたので、タックルが取れなかったら、違うことで取りにいけるように指導した」と作戦を明かした。高橋自身も「タックルを取りにいく前後の動きに加えて、横の動きをいれるように練習してきました」と、この1年でさらに成長した証を見せた。
(左写真=大会MVPも獲得)

 まったくのノーマークから勝ち上がった2年前の奈良大会。1年生王者となって名が知れ渡り、多方面からマークされ、加えて右足首負傷を乗り越えて優勝した昨年の沖縄大会。そして、集大成の岩手大会は、スーパー高校生ならではの最高の内容で3連覇に花を添えた。



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