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【特集】5シーズンぶりに一部へ復帰、創部47年目の桃山学院大
【2011年5月23日】

(文・撮影=樋口郁夫)




 西日本学生リーグ戦の二部リーグは、優勝候補と言われた天理大が3回戦で大体大に不覚。この結果に、前回2位の桃山学院大が勢いをつけ、最後の試合で天理大を破って優勝。秋季には5季ぶりに一部で闘うことになった。(右写真=天理大戦でがぶり返しを決める秋山弘樹主将)

 1964年創部で、今大会に出場している13大学の中で4番目に古いチーム。かつて一部リーグの3位になったことがあり、全日本大学王者を輩出したこともある。二部で闘わざるを得なかったことは屈辱と思われる。今回二部にいたのはわずか4シーズンのことだが、川久保清部長は「長かったです」と安堵の表情を浮かべた。

■世代交代で、若い監督を誕生させた

 外山宗秀監督は自分の仕事を持っているので週1、2回しか顔を出せない。しかし大学職員の東裕ヘッドコーチが頻繁に来られるようになり、チーム力がアップしたという。「ちょっと前には、朝練習に来ない選手がいるとか、だれていた時があったんですよ」と川久保部長。以前は体育会推薦の選手(年3人程度)に加えてレスリング未経験者も入部してくれ、部員数がそろって、それが活気につながっていたという。近年は未経験者がなかなか入ってくれず、数的にはさびしい人数。それがゆえに、東ヘッドコーチの存在が大きいようだ。

 それ以外にもビデオテープでレスリングを研究し、がむしゃらに練習させるだけでなく、考えたレスリングをさせるようにもなったという。川久保部長は「昔比べれば、考えさせてレスリングをやらせるようになっています」と話した。

 外山監督は今年30歳の若い監督。4年前、川久保部長の「指導者に若い血を入れなければならない」という方針のもと就任させた。OB会からは「そんな若い人間でいいのか」という声もあったというが、「世代交代しなければならない。裸になって練習できるにこしたことはないが、それができなくとも選手の間に入っていける人間でなければならない」と押し切ったという。
(左写真=選手に声援をおくる外山監督)

■今後の課題はメンタル面の強化

 その外山監督は、自身が就任したあとに二部に転落しただけに責任も感じていた様子。「OBの方からもいろいろ言われた。やっとスタートラインに立てたかな、という気持ちです」と一部復帰を振り返った。今後は一人ひとりのいいところを伸ばすような指導をやっていきたいそうで、他に「メンタル面の強化が課題です。優しいというより、心が弱い子が多いので、内面的な部分から強化していきたい」と話した。

 平成になって誕生したチームが幅をきかせている一部リーグで、昭和30年代誕生チームの意地を見せられるか?



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