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スウェーデン遠征の女子中高生選抜チームが帰国
【2011年3月11日】


 スウェーデンに遠征していた女子中高生選抜チームが3月10日、成田空港着のスカンジナビア航空で帰国した(成富利弘監督と選手2人は勤務と試験の関係で8日に帰国済み)。今回の遠征は、カデットとシニア合わせて「金7・銀4・銅2」と、昨年より金メダルの数で1個上回る好成績(右写真:メダルを取った選手=2選手は帰国済み)。吉村祥子コーチ(エステティックTBC)は「初めて体温計を一度も使わない遠征でした」と、まだ厳しい寒さの残る北欧の遠征であるにもかかわらず、選手の体調管理のすばらしさを評価した。

 レスリングに関しては、「勇気を持って攻めた選手は勝っている。負けた選手は、勇気が足りないケースが多かった。全体として日本のスピードあるタックルは他国から脅威と思われていた」と振り返る。ジュニアに関しては、ワールドカップと日程が重なっていたこともあっていつも出てくる米国やフランスなどが不出場。例年よりレベルは高くなかったそうだが、シニアに混じっての大会で優勝した48kg級の入江ゆき選手(福岡・小倉商高)を「今後に期待できる優勝」と評価した。

 この大会のカデットは、1992年まで実施されていた勝ち点方式の組み合わせシステムで行われており、現在のルールと違ってどの選手も2敗するまで闘える。吉村コーチは「試合に負けても、その反省を次の試合で試せるのでいいシステム。決勝に進むにはフォール勝ちが必要というケースもあり、選手の積極性を引き出せる場合もある」と話す。日本でも、若手の強化のためにカデット世代の大会では「勝ち点方式でやるのもいい」と導入を訴えた。

■シニアの部で唯一の優勝の入江ゆきは「まだまだ弱いです」−

 シニア・ジュニア合同の部で唯一の金メダルを取った入江は「まだまだ弱いです」と、満足できない内容だったことを強調。「パワーの差を感じたし、体力も弱いと感じました」と言う。その中で勝てたのは「負けたくない、という気持ちを前面に出せたからだと思います」と話す。4月からは新興の九州共立大に進み、レスリングを続けるという。首都圏や愛知の強豪大学からの誘いもあったと思われるが、「地元でしっかりやりたい。努力すれば、どこであっても強くなれると思います」と、強い意志をもって日本一を目指す。「(4月末の)全日本選抜選手権で優勝したい」ときっぱり。

 カデットの部で4年連続優勝を達成した49kg級の宮原優(JOCアカデミー/東京・安部学院高)は「最初から自分の動きができた。タックルにも入れて決まったし、これまでの優勝より内容がよかったと思う」と満足そう。しかし、この先、ジュニアやシニアで通じるようになるには、まだやるべきことがある。1月にはシニアの大会である「ヤリギン国際大会」(ロシア)に出場しており、外国選手とのパワーの差を肌で感じている。「カデットの時のように動きだけでは勝てない。体力をもっとつけて、外国選手に負けないようにしたい」と話した。

 カデット56kg級で2連覇を達成した坂野結衣(東京・安部学院高)は「今年も優勝しなければ、というプレッシャーを感じましたけど、決勝では感じなくなり、自分の動きができた。決勝の相手は去年と同じ選手。去年は接戦でしたけど、今年はフォールで勝てて、自分の成長を感じました」と言う。今年の目標は世界カデット選手権(8月、ハンガリー)での優勝。そのためにも来月2〜3日のジュニアクイーンズカップ(東京・駒沢体育館)で「優勝します」と気合を入れた。

 カデットの部の軽量級はGOLD KID'Sから3選手が出場し、2選手が優勝、1選手が2位という成績だった。38kg級優勝の浅倉栞南(千葉・柏二中1年)は「外国選手は力があってやりづらかった」と、40kg級優勝の加賀田葵夏(東京・高南中1年)も「外国選手は力が強く、手が長いのでタックルを切られることが多い。日本にいないタイプなのでやりづらかった」と、同じような言葉を口にしたが、ともに「これまでの練習の成果を出せた」と振り返り、今後も国際大会に出て優勝を重ねたい希望を話した。

 46kg級の坂上楓舞希(千葉・八木が谷中3年」)は昨年と同じく岡本佳子(福岡・北九州クラブ=福岡・企救中2年)に敗れての2位。「同じ相手に負けたのは悔しかったけれど、去年闘った外国選手対策はしっかりできた」と言う。4月からは姉のいる愛知・至学館高に進み、飛躍を目指す。

 


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