韓国レスリング協会会長が北京五輪で審判員を買収?…韓国メディアが報じる【2010年1月9日】



 韓国の朝鮮日報ほかが報じたところによると、あっせん収賄罪などで起訴された旅行会社会長でもある韓国レスリング協会の千信一会長が1月6日、ソウル中央地裁で行われた公判で、「北京五輪で審判に金銭を渡した」と証言。同国で波紋を広げているという。

 千信一被告は、故盧武鉉大統領の有力後継者だった実業家、朴淵次氏(北京五輪当時韓国レスリング協会副会長)に、同氏の会社への税務調査をもみ消す便宜を図った見返りとして現金を受け取ったとして、あっせん収賄罪の罪に問われ在宅起訴されていた。他にも、100億ウォン(約8億1600万円)余りを脱税したとされている。

 千信一会長は北京五輪当時、朴淵次氏から15万人民元(約203万円)を受け取り、「一部の審判らと親善をはかる目的で、トイレやホテルの廊下で金銭を手渡した。そうすることが慣行だった」と裁判所で証言したという。検察は千信一会長に懲役4年、罰金150億ウォン(約12億2400万円)を求刑。2月5日に判決公判が行われる。

 千信一会長は1996年から韓国協会の会長を務めている。これまでにも、韓国協会の重鎮が国際大会において時計などの物品を外国審判員に贈呈したり、韓国協会が金を出しての親睦会が行われることはあり、これらは特別に隠されてはいなかった。レスリング界で現金の授受が裁判所の法廷で証言されたのは、おそらく世界で初めてと思われる。「親善を図る目的」であって「八百長依頼」ではないものの、国際レスリング連盟(FILA)へ波及することが予想される。

 なお、同五輪に審判員として参加した日本協会の斎藤修・審判委員長(千葉・佐倉南高教)は「天地神明に誓って金は受け取っていないし、持ちかけられもしなかった。日本の審判は代々持ちかけられても受け取ることはなかったと思うので、持ちかけられることはない」と話した。また2000年シドニー五輪と2004年アテネ五輪に参加した内藤可三・前審判委員長(ニレ接骨院)も「韓国は、日本人は(金銭を)受け取らないことを知っているので、日本の審判員には持ちかけてこない」と話した。


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