【全日本マスターズ選手権特集】全日本選手権運営の立役者が20数年ぶりのマットへ…仙北谷数成さん(東京・王子ジュニア)【2010年1月18日】




 日本協会の総務副委員長として全日本選手権などの大会運営にあたっている仙北谷数成さん(東京・王子ジュニア)がC(46〜50歳)97kg級に出場。20数年ぶりに実戦のマットに上がったが、2008年の世界ベテランズ選手権の銀メダリストでもある湯川栄光さん(愛知・へなちょこクラブ)に翻ろうされ、0−2で無念の黒星(右写真:必死に闘った仙北谷さん=右=だが…)。試合終了後、「悔しい!」と第一声を発した。

 秋田経法大付高から日大へ進み、のちに1988年ソウル五輪金メダルに輝く小林孝至・現日本協会広報副委員長や東京・安部学院高の成富利弘監督、プロレスラーの本田多聞さんらと同期。「頭を使って闘え!」というアドバイスを受け、相手に頭突きをした実話を持つなど闘争心を表に出して闘った選手だ。

 現在は父から会社経営を譲り受けて社長として活動するかたわら、王子ジュニアでキッズ相手にレスリングを教えている。昨年暮れに、「小さな子供相手ではフラストレーションがたまる。自分でも試合に出てみよう」と思い立ってエントリーした。時に味の素トレーニングセンターでJOCアケデミー所属の白井勝太選手(中学2年生)とも練習をやっているので、少しは自信があったのか?

 しかし20年以上のブランクは簡単には埋められず、世界ベテランズ選手権でメダルを取るほどの選手相手では荷が重かった。スタミナが切れて思うように闘えず、いいところなくポイントを失い続けた。スタミナ不足もさることながら、「イメージに体がついていかなかった」と言う。

 「昔、『力を抜け』とアドバイスされた。今回も『力を抜け』とアドバイスされた。全然成長がないですね」と苦笑いしたあと、「負けるのは仕方ないが、こんな状態で試合に出ては相手に失礼だと思った。来年までにしっかり練習し、相手に失礼でない状態で再挑戦したい」と、来年の出場もきっぱり宣言。

 現在の計量はシングレット姿で体重計に乗るが、現役時代の計量は全裸で行っていた。そのため前日の計量時にシングレットを持ってくるのを忘れ、冷や汗をかくというアクシデントもあった。何かと戸惑うことの多かった20数年ぶりのレスリング挑戦。来年はしっかり準備して挑戦してくれそうだ。


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