【全日本マスターズ選手権特集】世界王者健在! 5歳刻みの区分になって手加減なし…朝倉利夫さん(国士舘大監督)【2010年1月18日】




 1981年世界選手権フリースタイル52kg級金メダリストの朝倉利夫・国士舘大監督が今年も出場。D(51〜55歳)63kg級で2試合に圧勝して優勝した(右写真=決勝も相手を寄せ付けなかった朝倉さん)

 「闘う以上、真剣にやらなければ相手に失礼。年齢が10歳近く違った時は多少手加減もしたが、今年から5歳刻みになったので手加減する必要はなくなった」と、全力ファイトの連続。「現役時代と同じ気持ちでマットに上がっています。ポイントを取るレスリングじゃない。フォールする気持ちを忘れていない。レスリングは相手をフォールするスポーツです」ときっぱり。

 一方で「年々勝つのが厳しくなるよ」とも言う。これは周囲のレベルが上がっているというより、年をとってくると1年に1度の大会ではモチベーションを上げるのが苦労するという理由らしい。「出場できる大会が年2回くらいあった方がいいね」と、闘う気持ちは現役時代そのものだ。

 以前は、出場しようとして「世界チャンピオン経験者が出場するのはおかしい」という声を耳にして辞退したこともあった。今は遠慮することなく出場。国士舘大の指導は和田貴広コーチにかなりの部分を任せているが、自身はキッズ教室「拓真塾」で少年選手相手にレスリングを教えており(左写真)、「自分が必死にやる姿を子供たちに見せることで役立つ。もちろん学生選手への刺激にもなると思う」と言う。

 低迷が続いていた国士舘大も、今年度はフリースタイル60kg級の小田裕之選手が学生二冠王者に輝き、全日本チャンピオンに登り詰めるなど復活の兆しを見せている。監督の熱き行動は、その勢いに拍車をかけそうだ。


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