【全日本マスターズ選手権特集】長尾兄弟の母が初マットで優勝…長尾由香里さん(大阪・近大クラブ)【2010年1月日】




 昨年12月の天皇杯全日本選手権で兄弟同時出場を果たした長尾武沙士(近大コーチ)明来士(近大)の母・長尾由香里さん(近大クラブ)が女子の部B・C(41〜50歳)に出場。三者リーグを制して初のマットを優勝で飾った(右写真=決勝戦でフォール勝ちした長尾さん)

 学生時代からバスケットボール一筋だった。2人の子供がレスリングをやることになり、マットサイドから熱き声援を送り続けてきたが、「偉そうなことを言うだけでいいのだろうか」と疑問に思い、「自分も頑張ってからやるべきだ」と思い立った。昨年のこの大会で自分より年上の女子選手が出場したこともあり、「1回、自分もやってみようと決意した」という。

 練習は週1〜2回、近大の練習に加わらせてもらい、一番軽い選手に相手をお願いした。「タックルと腕取り、けさ固めの練習だけだったけど、それらはしっかりやった」という。その成果が見事に試合に出ての優勝だった。

 団体競技であるバスケットボールに比べると、すべて自分に返ってくるという点で緊張する大会前だった。「バスケットボール時代は、個人で練習なんてしなかった。そこまで追い込むことはなかった」と言う。今回は限られた境遇の中で納得できるまで練習を積んだのだろう。「マットに上がったら、度胸がすわっていた」と言う。

 「この優勝で、これからもマットサイドで偉そうに声援をおくらせてもらう」とにっこり。バッティングで左目の上に大きなコブをつくりながらも、満足そうに試合を振り返った。


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