男子全日本チームの重量級選手が合宿スタート【2010年2月12日】



 男子両スタイルの全日本チーム84kg級以上の選手が2月11日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで合宿をスタート。フリースタイルの小平清貴コーチ(警視庁)とグレコローマン96kg級で北京五輪に出場した加藤賢三・現自衛隊コーチの指導のもと、重量級ならではのトレーニングや打ち込み練習に汗を流した(右写真)

 北京五輪ではグレコローマン84、96kg級に選手を送ることができた日本の重量級だが、全体的には世界から遅れをとっているのが現実。そのため、重量級選手だけを集め、お互いに切磋琢磨して強化をはかる目的で実施された。重量級選手だけが集まっての全日本合宿はこれまでになかった。小平コーチは「かなり息を上げる練習ができた。こうした練習を積み重ねていけば結果は出ると思う」と初日の練習を振り返った。

 重量級の練習というと、ウェートトレーニングによる筋力アップが中心と思われがちだが、「外国選手に筋力で勝つのは難しい。日本選手が勝つには、動いて相手をばてさせ、スタミナでまさる方法しかない」として、心肺機能をアップさせる練習にかなりの時間が割かれた。

 軽中量級の選手と一緒に息が上がる練習をすると、メニューに遅れてしまっても「重量級だから…」といった甘えが出るという。小平コーチは「そうした考えはダメ。重量級の選手がランニングのトップを走って何がおかしいのか。トップを走るという気持ちを持ってほしい」と話し、軽量級選手をもしのぐスタミナづくりを要望した。

 4年前のアジア大会(カタール)では、日本オリンピック委員会(JOC)の出場選手数を絞る方針のもと、重量級の派遣がカットされ、小平コーチも涙をのんだ一人。選手にその気持ちは経験させたくない。「こうした合宿の機会を与えてくれた強化委員会に感謝したい」といった気持ちと、責任感をもって指導にあたっている。5月のアジア選手権(インド)で結果を出せば派遣カットに対して堂々と反対できるだけに、「与えられたチャンスを生かさなければならない。そのためには、この苦しさを乗り越えてほしい」と要望した。

 合宿は14日まで続けられ、5〜6月にも同様の合宿が3度予定されている。小平コーチは「全日本の重量級だけではなく、学生の重量級も集まってもらって、一致団結してがんばりたい」と、重量級の振興を誓った。

人間を相手にしたパワートレーニングが休む間なく続き、心肺機能の強化も。 ウェートトレーニングによるパワーアップは重量級の必須トレーニング。

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