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【特集】北岡悟、植松直哉、秋本じんらのプロ格闘家が強さを見せる【2010年3月21日】

(文・撮影=増渕由気子)  
 

■4試合に圧勝し強さを見せる前戦極王者…北岡悟

 プロ格闘家が出場することで有名な全日本コンバットレスリング選手権は、今年も格闘技ファンの間で有名なプロ格闘家が大会を彩った。

 2年ぶりに同大会に参戦した前戦極(現SRC)ライト級王者の北岡悟(パンクラスism=
右写真中央)は「6月5日にパンクラスでワンマッチの試合が決まった。昨年の11月以来、試合をしていないので、6月の試合の調整として出場した」と出場動機を説明。試合前のウォーミングアップなどは念入りに行い、プロの試合さながらの準備を見せた。

 減量を回避するため80s級への出場。4人のエントリーしかなく、試合は、第1試合が9秒でアキレス腱固め、第2試合が16秒でフロントチョークで仕留め、第3試合も1分4秒と一方的な試合で優勝。

 6月に行う試合の調整をテーマに掲げたが、「(出場者数の多かった)73s級で出場すればよかったかな。でも、それでは同門と同じエントリーになってしまったし」と苦笑し、物足りない内容になってしまったようだ。

■異種格闘技の現場レベルでの交流を希望…植松直哉

 また、ブラジリアン柔術界で活躍する植松直哉(パラエストラ吉祥寺)は2005年の73s級チャンピオンで、今大会は2度目の出場。66s級にエントリーした。「タイミングが合えば毎年出たい。レスリングを取り入れたコンバットレスリングは、投げ技などもあって勉強になる」と今後も継続して出場することを希望した。

 一口に「格闘技」と言っても、様々な競技がある。「その中でもレスリングはキツい競技ですよね」と植松。逆に言うと、レスリングをすることによって、自身の格闘技能力の向上に役に立つという。そのレスリングを取り入れ、関節技も使えるコンバットレスリングは、関節技を得意とする植松にとって、“レスリング”に手軽に取り組める競技のようだ
(左写真=得意のスリーパーホールドで勝ち上がった植松)

 「レスリングの選手は関節技が怖くて、私たち柔術の選手は投げ技に対応できないんですよね。先日、日本格闘技競技連盟が発足しましたが、会議レベルでの交流だけではなく、現場レベルでの交流が盛んになれば、いいことだと思う」と話した。

■社会人レスリング大会へも積極的に出場へ…秋本じん

 木口道場出身の秋本じん(秋本道場)は60s級を連覇した。「もう38歳です」という言葉を感じさせない若々しいスタイルで、4人総当りのリーグ戦で3試合を勝っての優勝。「今年、木口道場は40周年を迎えました。今大会、ぼくの中では40周年記念大会だと思って闘いました」と気合が十分に乗った状態だったようだ。

 普段の主戦場は修斗のリングだが、コンバットレスリング以外でも、2005・06年とレスリングの全国社会人オープン選手権の段別の部に出場し、初段の部と2段の部でそれぞれ優勝している。現在は3段で、資格さえ取れば全日本選手権へも参加できる状態だ。「実は、自身のジムで子供たちにレスリングを教えているんです。レスリングでの活躍が少ないことが、先生をしている立場上、コンプレックスで」と苦笑い。レスリングの技術向上のために、今後も社会人レスリング選手権などに出場する意欲を見せた。


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