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【特集】拓大・須藤元気体制の2年目も磐石! 来月、2年連続三冠王へ挑戦【2010年10月16日】

(文=池田安佑美)



 今年の全日本大学グレコローマン選手権・大学対抗得点は拓大の圧勝で幕を閉じた。これで、9月の全日本学生王座決定戦に続いて今季2つ目のタイトルを獲得。来月11・12日の全日本大学選手権(フリースタイル=東京・駒沢体育館)で総合優勝を遂げれば、拓大は2年連続の団体三冠王達成となる。

 就任2年目にして2年連続三冠王に王手をかけたのは須藤元気監督
(右写真)。60s級、66s級、84s級、120s級の4階級を制しての優勝にホクホク顔。もっとも、大会MVPに選ばれた主将の岡本佑士(66kg級)や、インカレ両スタイルに続いての優勝の岡太一(84kg級)など、力の差を見せつけて優勝した選手もいたが、120s級の谷田昇大は決勝でテクニカルポイントなしでの優勝と内容が伴わなかった。須藤監督は「スタンドでポイントを取っていかないとダメ」との反省も忘れない。

 それでも最後は、「結果が出ましたし、『勝てば官軍』ということで」と、選手の健闘とチームの勝利をたたえた。

■三冠制覇の岡太一の成長に目を細める須藤監督

 最終日のハイライトは84s級の決勝戦、大会2連覇を狙う天野雅之(中大)と岡の一戦だろう。天野はインカレで優勝を逃したが、9月の千葉国体では社会人選手を抑えて大会連覇。今大会に向けて調子を上げてきた。対する岡は、インカレ両スタイル制覇で一気にブレークし、今大会で学生三冠に挑戦していた。

 第1ピリオド、スタンドで岡が投げ技を打つが、天野は冷静に反応。逆に岡を押さえ込み、ニアフォールを奪う
(左写真=赤が岡)。試合巧者の天野が第1ピリオドを奪ったことで、中大のセコンドからは大声援が沸き起こった。一瞬、静まり返る拓大ベンチだったが、須藤監督は落ち着いていた。「負ける心配はありませんでした。岡が攻めていての失点でしたから大丈夫だと思った」と振り返る。

 岡は第2ピリオドを奪い返すと、第3ピリオドの中盤、両者が組み合ったあと、天野が前に押し出してきた力をうまく利用して首投げ一閃! 3点を奪ってリードすると、オフェンスに回ったグラウンドでもしっかりと天野を抑えて優勝を決めた。

 これで夢の四冠に王手をかけた岡。須藤監督も「岡はレスリングにまったく迷いがなくなった」と目を細めた。学生レスリングもいよいよ終盤。須藤監督は11月の全日本大学選手権で、チームの団体三冠王、そして岡の学生四冠王の偉業達成をアシストする。



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