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【特集】国体へ向けての地道な強化実る…TEAM千葉ジュニアから2選手が表彰台へ【2010年10月6日】

(文=増渕由気子、撮影=保高幸子)



 第65回国民体育大会「ゆめ半島千葉国体」大会で、地元千葉県協会は優勝を目指し、2000年シドニー五輪代表で現在はプロ総合格闘家の宮田和幸(Brave)や、指導者に回っていた2008年北京五輪予選代表の鈴木豊(自衛隊)を目玉選手として招へい。だが、惜しくも優勝ならず。

 そんな中、表彰台に上がったのは、「TEAM千葉ジュニア」の強化事業で地道に力をつけてきた少年たちだった。少年フリースタイル84s級の白石涼(八千代松陰)が悲願の優勝。少年グレコローマン96s級では戸塚誠(佐倉南)が準優勝に輝いた。

 総合結果は14位。八木光総合監督は「予定通りいかなかった部分もありますが、優勝者も出てよかった。5年間に渡る『TEAM千葉ジュニア』事業の成果は出た」とホッと胸をなでおろした
(左上写真:左から八木監督、戸塚、白石)

■惜敗したインターハイから成長、ついに高校の頂点を取った白石涼

 白石は今季一番成長した選手だ。3月の全国高校選抜大会ではベスト8。その後、力をつけ、8月の沖縄インターハイでは準優勝へ。この時は残り30秒まで3−0とリードしていたものの、春夏連覇を狙った松野裕也(茨城・霞ヶ浦)の意地で残り数秒で逆転負けを喫しての2位だった。

 この準優勝が白石を変えるキッカケになった。「インターハイでリードした瞬間、あの『霞ヶ浦』といい勝負をしているという気持ちがありました」。負けても強豪チームと互角に戦ったという満足感が敗因だった。周囲からハッパをかけられるうちに、地元国体では「優勝」の2文字しか見えなくなったようだ
(右写真=優勝して歓声にこたえる白石)

■生粋の地元選手、佐倉レスリングクラブ出身の戸塚が準優勝

 大会開催地になった千葉県佐倉市で育った生粋の地元選手の戸塚誠は、最終日に千葉の意地を見せた。この日は地元の幼稚園児約100名が観戦。その応援に気合が入った戸塚は、準決勝の第1ピリオドをあっさりと落とすが、第2ピリオド残り5秒でガッツレンチを決めると、第3ピリオドでは鮮やかにフォール勝ち。一躍、園児たちのヒーローになった。

 「フリースタイルで白石が優勝して、本当にうれしくて、自分も優勝したいと思いました」。決勝戦は、8月の沖縄インターハイへ向けて強化してきた志喜屋正明(沖縄・浦添工)に屈したが、「レスリングをやってきてよかった。TEAM千葉ジュニアといういい環境で競技を取り組んでこれた」と満足の2位
(左写真=決勝で闘う戸塚)

 来年は都内の大学に進学する。「大学で強くなって、それをまた千葉県に持って帰りたい」と地元愛を見せた
(下写真=千葉県の少年チーム)



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