▲一覧ページへ戻る

 


 

【特集】少年の踏ん張りで埼玉が2年ぶりの総合優勝【2010年10月5日】

(文=増渕由気子、撮影=保高幸子)




 第65回国民体育大会「ゆめ半島千葉国体」で、総合優勝を飾ったのは埼玉。2年ぶりの優勝を決めた。少年フリースタイルでは、66s級の保坂健(埼玉栄)と96s級の山本康稀(花咲徳栄)の2人が優勝。ともに高校三冠王を達成し、年間を通して安定した強さを見せた(右写真=埼玉チーム)

 成年フリースタイルでも、55kg級の湯元進一(自衛隊)が60s級で優勝するなど自衛隊勢が多数入賞したことで、総合67点をマーク。2位の山口県を7.5点も引き離した。野口篤史総合監督(埼玉栄教)は、「2005年の地元国体で優勝してから、6年で3回も優勝してます」と終始笑顔だった。

 埼玉躍進の原動力は、伝統校の埼玉栄に新興校の花咲徳栄の2大強豪が切磋琢磨していること。今年のインターハイ予選は花咲徳栄が埼玉栄を4−3で撃破。県内予選でも熱いバトルを繰り広げている結果が、国体のように県代表対抗戦になると、国内トップの戦力へつながっている
(左写真:少年フリースタイルで優勝した山本=左と保坂)

 野口監督は「ウチ(埼玉栄)と花咲徳栄に加えて、成年には自衛隊がいますから」と、安定した力を持つ成年が控えていれば鬼に金棒だ。

 社会人の“プロ軍団”、自衛隊が成年の戦力になるのは埼玉にとっての強み。だが、今回は自衛隊所属で出場した成年フリースタイル55s級の冨田和秀と成年グレコローマン120s級の新庄寛和が初戦敗退の不覚。しかし、少年選手たちの活躍がそれを補った。「(埼玉の)国体合宿で、優勝に向けて気持ちを高めています」と、3チームの息をピッタリ合わせてきた成果だった。

 国体を契機に県内の強化体制ができあがることは珍しくない。それをベースに埼玉は戦力を保っている。「去年も優勝できる力はあったんですが、グレコローマンでコケちゃって」。強化システムの歯車が狂わせることなく、来年こそは連覇を達成できるか。



  ▲一覧ページへ戻る