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FILAのマルティニティ会長がチェチェン共和国での国際大会出席へ【2010年9月26日】


 国際レスリング連盟(FILA)のラファエル・マルティニティ会長が来月8〜10日にロシアのチェチェン共和国グロズニーで行われる「ラムザン・ラディロフ・オブ・アドラン・バラエフ」大会(男子フリースタイルのみ)に出席することになった。同会長は、優勝賞金2万ドル(約170万円)というこの大会を「チェチェンの平和に重要な役割を果たす大会になる」と位置づけた。

 ロシアからの独立を求めて長い期間紛争を続けたチェチェン共和国は、2008年北京五輪で3度目の優勝を遂げた男子フリースタイル74kg級のブバイサ・サイキエフの出身地。1988年ソウル五輪同級2位で現在のロシア・フリースタイル会長のアドラン・バラエフも同地出身で、レスリングの強豪が多く生まれていたが、1994年に始まった紛争によって多くの死者が出る状況となり、スポーツどころではなくなった。

 いったんは沈静化したものの、1999年に第2次チェチェン紛争が始まった。ようやくおさまりかけた2006年、同共和国で初めて行われた国際スポーツ大会がレスリングで、昨年も16ヶ国から多くの世界・欧州王者経験者が集まる大会が開催された。マルティニティー会長は「レスリングがチェチェンの新しい平和のステージをつくる」と話した。

 同大会の優勝賞金2万ドルは、ゴールデンGP決勝大会の1万ドル(約85万円)を上回り、個人では最高賞金と思われる(団体戦では、優勝賞金5万ドルの大会が昨年、ロシア・ダゲスタンで行われている)。大会には、今年の世界選手権で35年ぶりにメダル0に終わった米国も参加を表明している。



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