▲一覧ページへ戻る


   

米国の男子が世界選手権でメダル「0」…35年ぶりの屈辱【2010年9月16日】



 9月6〜12日にロシア・モスクワで行われた世界選手権で、米国の男子がグレコローマン、フリースタイルともメダル「0」に終わった。グレコローマンがメダルなしに終わったのは2003年のフランス大会以来だが、伝統のフリースタイルは1975年のソ連・ミンスク大会以来(安全上の理由で不参加だった2002年大会を除く)。同年はグレコローマンでもメダルを取っていないので、両スタイルの世界選手権でメダル「0」は35年ぶりの屈辱となる。

 ソ連が解体される前は、フリースタイルの国別対抗得点でソ連のが城を揺るがすことができたのは、米国のほかはブルガリア、イラン、トルコくらいだった。1991年にソ連が解体され、米国の「打倒ソ連」の悲願はならなかったものの、1993年は米国が75点をマークし、53点のロシアを大きく引き離して初の団体世界一へ輝いた。

 翌94年は金メダル0に終わったが、95年大会は金メダル4個を獲得して71点をマーク。2位イランの59点、3位ロシアの58点を引き離して、世界一の座を揺るぎないものにした。グレコローマンも、2007年大会で優勝なしながら平均して上位に食い込み、国別対抗得点でロシアを押さえて初の世界一に輝いた。

 今大会は、グレコローマンは重量2階級が辛うじて5位に入り、意地を見せた(?)が、フリースタイルは計4勝7敗で、9位に2選手、10位に1選手が入っただけ。国別対抗得点は5点で、23位と低迷してしまった。フリースタイルのジーク・ジョーンズ・ヘッドコーチは、USA協会のホームページの取材に「恐ろしい結果だ。私たちは十分に闘っていなかった。多くのことをチェンジしなければならない。もっとタフに闘うことと、よりハイレベルのテクニックが必要だ」と話した。

 2005年に3大会連続金メダルなしの屈辱を味わい、低落がはっきりした米国フリースタイル。2006年には辛うじて金メダルを取ったものの(66kg級=ビル・ザディク)、2007年には銅メダル1個へ。それでも2008年北京五輪では55kg級でヘンリー・セジュドが勝って、五輪での金メダル獲得の伝統をつなげた。今回も立て直すことができるか? それとも2012年ロンドン五輪で金メダル0の結果を招くか。

 ちなみに、1975年にメダル「0」に終わった翌年のモントリオール五輪では、10階級中、金1・銀3・銅2を取って盛り返した(フリースタイル)。米国レスリングの動向に注目だ。 



  ▲一覧ページへ戻る