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吉田沙保里(ALSOK)伊調馨(ALSOK)ともに金メダル獲得…世界選手権第4日【2010年9月10日】



 【モスクワ(ロシア)】世界選手権第4日は9月9日、ロシア・モスクワで女子3階級が行われ、55kg級の吉田沙保里(ALSOK)と63kg級の伊調馨(ALSOK)が、ともに金メダルを獲得した(右写真)。吉田は8大会連続優勝で、2度の五輪(2004年アテネ・2008年北京)と合わせて10大会連続の世界一へ。伊調は世界選手権3大会ぶり6度目の優勝。2度の五輪(同)と合わせ8度目の世界一を達成した。女子史上1、2位の記録となる。59kg級の正田絢子(京都・網野高教)は準決勝で敗れたが、3位決定戦で勝って銅メダルを獲得した。

 55kg級の吉田は1、2回戦を順当に勝ち、3回戦で2008年世界3位のタチアナ・パディーヤ(米国)を撃破。準決勝で欧州ジュニア・チャンピオンのマリア・グロバ(ロシア)を2−0で破り、4試合を失点0で勝ち上がった。決勝は昨年の59kg級世界チャンピオンのユリア・ラトケビッチ(アゼルバイジャン)と対戦。第1ピリオドを2−0で勝ったあと、第2ピリオドは3点タックルを2度決め、快勝した。

 63kg級の伊調は、初戦の2回戦で昨年の世界ジュニア・チャンピオンのハンナ・ヨハンソン(スウェーデン)を2−0で撃破。3回戦のチェン・メン(中国)戦の第2ピリオドで3点を失ったものの、盛り返して2−0で勝利。準決勝は59kg級で実績のあるマリアンナ・サスチン(ハンガリー)を2−0で下した。決勝は2年連続パンアメリカン・チャンピオンのエレナ・ピロジコバ(米国)を相手に、第1ピリオドを1−1のラストポイントで取り、第2ピリオドは3−0で勝って優勝を決めた。

 59kg級の正田は、初戦の2回戦で昨年55kg級2位のソナ・アーマドリ(アゼルバイジャン)に第3ピリオドの後半で逆転勝ち。3回戦も勝ったものの、準決勝で今年のアジア選手権2位のバトチェチェグ・ソロンゾンボルド(モンゴル)に1−2で敗れた。しかし3位決定戦で、北京五輪と昨年の世界選手権の55kg級で3位になっているトーニャ・バービック(カナダ)を2−0で破り、銅メダルを獲得した
(左写真)

 各選手の成績は下記の通り。




 ◎女子

 【55kg級】吉田沙保里(ALSOK)           優勝=23選手出場

■1回戦 ○[フォール、2P0:54(4-0、F3-0)]Um Ji Eun(韓国)
 《試合経過》第1ピリオドの40秒、吉田が片足タックルから攻めて1点を先制。1分12秒にも正面タックルで3点を取り、4−0へ。第2ピリオドは33秒に回り込んで1点。腕取りで相手の体を返し、がっちり押さえ込んだ。

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■2回戦 ○[2−0(TF6-0=0:48T,F6-0=1:33]Tamara Kazaryan(ウズベキスタン)
 《試合経過》第1ピリオド15秒、吉田が速攻のタックルで一気にニアフォールの体勢へもっていって2点。フォール狙いで2点が2度入って6−0。第2ピリオドは50秒に正面タックルで1点を取り、相手のひざを折ってのまたさきで2点。1分23秒にバックを取った後、体を返して6−0とした。

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■3回戦 ○[2−0(3-0、TF7-0=1:25]Tatiana Yadira Suarez(米国)
 《試合経過》第1ピリオド、吉田はタックルを決め、相手の体がころがって3−0。そのままのスコアで終了。第2ピリオドも21秒に3点タックルで先制。続いて持ち上げタックルを試みたが、これは1点。しかし1分22秒、正面タックルで2点を取り、5秒ルールで1点を加えて7−0のテクニカルフォール勝ち。

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■準決勝 ○[2−0(5-0,3-0)]Maria Gurova(ロシア)
 《試合経過》第1ピリオドの27秒、吉田は右足への片足タックルで1点を先制。ガッツレンチは回り切らなかったが2点を加えた。45秒にもバックを取って1点。1分35秒にも相手のタックルをかわして5−0とした。第2ピリオドも36秒に正面タックルを決め、中盤と終盤にも1点ずつ加えた。

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■決勝 ○[2−0(2-0、TF6-0=0:38]Yuliya Ratkevich(アゼルバイジャン)
 《試合経過》第1ピリオド、相手見た吉田だが、1分すぎにバックを取って1点。1分26秒にも相手のタックルをかわして1点を取った。第2ピリオドは開始早々に3点の正面タックル。30秒すぎにも3点となる正面タックルを決め、6−0とした。




 【59kg級】正田絢子(京都・網野高教)        3位=22選手出場

■1回戦  BYE

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■2回戦 ○[2−1(1-0,3-4,1L-1)]Sona Ahmadli(アゼルバイジャン)
 
《試合経過》第1ピリオド、0−0で試合が進んだあと、正田は相手のタックルをかわし、1分45秒に貴重な1点を獲得。第2ピリオドは、正田が脚をかけられて倒され、5秒以上押さえ込まれて0−4。1分47秒にバックを取り、ガッツレンチで2点を加えたが、追いつかなかった。

 第3ピリオド、タックルで場外際へ追い詰められた正田。外へ出ることは防いだが、バックを取られて59秒で0−1。このあと、相手の投げの失敗に乗じて1点を返し、1−1のラストポイントで勝負を決めた。

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■3回戦 ○[2−0(4-2,1-0)]Olga Kalinina(カザフスタン)
 
《試合経過》第1ピリオド、0−0で試合が進み、終了間際にがぶり返しのような技で正田が2失点。しかし、うまく返して逆にポイントを挙げ、4−2と逆転。第2ピリオドもお互いになかなかポイントが取れなかったが、正田はがぶって回り込み、1分34秒に貴重な1点を取った。

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■準決勝 ●[1−2(1-0,3-3L,3-5)]Battsetseg Soronzonbold(モンゴル)
 《試合経過》第1ピリオドは2分間を0−0。クリンチの攻撃権を取った正田は確実にテークダウンを極めた。第2ピリオドは、正田が35秒にがぶりから返されて2失点。1分25秒に足首へタックルにいき、ガッツレンチで3−2としたが、その直後にバック回られ3−3。ラストポイントによって、このピリオドを落とした。

 第3ピリオドの前半、正田はアンクルピックで背中からマットに倒れ、押さえ込まれて0−4へ。辛うじてブレークとなったものの、再開直後に場外へ出されて0−5。1分16秒、投げ技を決めて2点を返し、最後に横捨て身で逆転を狙ったが、1点を取るにとどまり、3−5と追いつかなかった。

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■3位決定戦 ○[2−0(1-0,1L-1)]Tonya Verbeek(カナダ)
 《試合経過》第1ピリオド、0−0で試合が進む。1分30秒すぎ、正田が相手の首投げのミスに乗じて左脚を取り、1分47秒にテークダウン。1−0でこのピリオドを取った。第2ピリオド1分10秒、バービックはがぶりからバックを取り、3度目の仕掛けで1点を先制。このあと、正田は逆転を狙って相手を差し上げ、前に崩してバックへ回って1点を獲得。ラストポイントで勝利を手にした。




 【63kg級】伊調馨(ALSOK)          優勝=28選手出場

■1回戦  BYE

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■2回戦 ○[2−0(4-0,3-0)]Hanna Katarina Johansson(スウェーデン)
 
《試合経過》第1ピリオドの32秒、伊調が回り込んで1点を先制。中盤、相手のタックルをかわしてバックを取り、アンクルホールドで1点。ラスト10秒にも1点を加えた。第2ピリオドは0−0で試合が進む。ラスト5秒、伊調が相手の右足首にタックルを仕掛け、ラスト1秒に倒して2−0。相手のチャレンジは認められず、1点が加わった。

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■3回戦 ○[フォール、2P1:53(3-0,F4-3)]Chen Meng(中国)
 
《試合経過》第1ピリオド、2分間を0−0。クリンチの防御となった伊調だが、うまい身のこなしでエスケープし、逆に相手の右脚を取って2点となるテークダウン。中国陣営はテークダウンがあったとしてチャレンジしたが、認められず、伊調に1点が加わった。第2ピリオドは前半にタックルの取り合いとなり、伊調はテークダウンを取られてレッグホールドで3失点。しかしバックを取って1−3へ。47秒に1点を返した伊調は、1分30秒すぎに片足タックルから一気にニアフォールへ。上四方固めでがっちと押さえフォール勝ち。

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■準決勝 ○[2−0(1-0,4-0)]Marianna Sastin(ハンガリー)
 
《試合経過》第1ピリオドの46秒、伊調は相手を場外に出して1点。そのポイントを最後まで守り切った。第2ピリオド、30秒でバックを取った伊調は、アンクルホールド3回転で4−0へ。そのスコアで試合終了。

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■決勝 ○[2−0(1L-1,3-0)]Elena Pirozhkova(米国)
 
《試合経過》第1ピリオドの中盤、伊調は脚をかけられたバランスを崩し、1点を先制された。しかし1分33秒、タックルを決めて1−1。ラストポイントで勝った。第2ピリオドは0−0で試合が進む。1分40秒、伊調が右足への片足タックル仕掛け、テークダウンを奪って3点を取り、勝負を決めた。



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