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【特集】納得できない警告だが、反省も…男子グレコローマン120kg級・新庄寛和(自衛隊)【2010年9月8日】

(文=保高幸子、撮影=矢吹建夫)




 世界への対策としてガッツレンチを自分の技として身につけ、十分な経験を経て入賞を目標に臨んだ男子グレコ−ロマン120kg級の新庄寛和(自衛隊)の3度目の世界選手権。だが、その挑戦は初戦でついえた。

 相手はムラト・ラモノフ(キルギスタン)。試合運びは悪くなかった。第1・2ピリオドともに「チャンスがあれば、と思って、狙ってやった」というように、組み手で攻め続け、スタンド戦は五分五分だった
(左写真=スタンド戦で互角に闘った新庄)

 両ピリオドともに迎えたパーテール・ポジションの攻防。青の新庄は第1ピリオド、まず防御。組ませないようにしたかったが、組んでから「予想と反対にやられてしまい、全く反応できなかった」と、回されてしまった。ずらす防御が必要だった。

 そして第2ピリオド、攻撃側のパーテール・ポジション。習得したガッツレンチを発揮するチャンスだったが、まずフライングの注意を受けることに。2度目の仕掛けでも同じように注意され、コーションを取られて相手の1ポイントとなってしまった。

■スタンドで攻め切ることとガッツレンチが今後の課題

 日本陣営は、コーションを取られるほどではないとチャレンジを申し入れたが、判定は覆らず、チャレンジ失敗に終わった。新庄は「納得いかないところもありますが、1回注意されているのに、同じことをやってしまった」と反省の表情
(右下写真=フライングに判定に納得できない表情の新庄)。残り数秒を新庄は果敢に攻めたが、ポイントにつなげることはできなかった。

 「今回は全く良いところがありませんでした…」という新庄。「これからの課題は?」という問いに、「スタンドで攻め切れていない。単発で終わっている。これでは相手をばてさすことはできない」と明確だ。第2ピリオドはがぶり返しを考えずに、ガッツレンチで攻める決心だったそうで、ガッツレンチの実力養成も目指す。

 「がつがつ前に出るスタイルでやっていきたい」という目標もある。この反省点が活かせれば、2ヶ月後のアジア大会(中国・広州)では今回のリベンジを果たし、誇らしげな姿を見せることができるだろう。



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