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大会支えた“レスリング・カップル”【2010年8月19日】


 外の気温が35度とも36度とも言われる中で行われた全国高校生グレコローマン選手権。選手のけがなど緊急時に対応する医事担当には、辻本頼子さんと、大阪・交野高レスリング部のOB(1990年3月卒)であり、柔道整復師の川原宗智さん(写真の左)が担当した。大会運営を手伝っていた川原さんの妻の裕子さん(写真の右)は、高校時代の同級生であり、レスリング部のマネジャー。初めて夫婦での“レスリング大会参加”だった。

 宗智さんは高校を卒業後、専門学校で柔道整復師の勉強をやり国家資格を取得。整骨師の道を歩んだ。現在は治療院を開業している。この間、なかなかレスリングに接することはなかったが、今回、恩師の中田保彦さん(大会副委員長=元高体連審判委員長)に声をかけられ、久しぶりにレスリングの会場を訪れた。

 「ちょっと前に近畿大会の応援に行った」そうだが、医事委員長という立場で高校生のレスリングをじっくり見るのは初めて。「昔を思い出す。興奮しますね。見ていて面白いスポーツです。必死になって闘う選手を見ていると、何らかの形でサポートしてやりたくなります」と言う。

 高校生の試合で一番多いけがは鼻血。脱きゅうも珍しくなく、初日だけで3件あったという。ねん挫も多いようだが、「ねん挫くらいでは、診断を受けに来ないことが多いですね」と言う。また室内スポーツでエアコンは効いているとはいえ、減量があるので熱射病の危険も高い。開会式でも1人が倒れた。「十分に注意してほしいですね」と警鐘を発する
(左写真=けがした選手を手当てする川原さん)

 妻・裕子さんは高校時代の同級生であり同僚だが、当時から交際していたわけではなく、数年前のOB会で再会し、その後、結婚に至った。それまでのOB会で何度も会っていたが何も起こらなかった。その時は「なぜか」(裕子さん)気持ちが結婚へと向かったという。裕子さんはレスリング選手の熱戦を見て、「懐かしいですね」とひと言。OB会は定期的に出席していたのでレスリングのことを忘れることはなかったが、会場に来ることはなかった。「こうして足を運べたのは光栄です」と言う。

 「今後もこういう形でレスリングに接していきたい」と宗智さん。2人の間にまだ子供はいないが、「誕生の際にはレスリングをやらせますか?」という問いに、そろって「まだ分かりません」と苦笑い。ただ「子供にはいいスポーツですね。全身運動で体力が鍛えられる」(宗智さん)、「闘争心がついて、精神面も強くなる」(裕子さん)と話し、まんざらではなさそうだった。



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