▲一覧ページへ戻る


【特集】夢は「プロレスラー」から「オリンピック」へ! 70kg級2連覇の橋本千紘(東京・安部学院高)【2010年8月18日】

(文=樋口郁夫)



 全国高校女子選手権の70kg級は、橋本千尋(東京・安部学院高)が決勝で地元の高村愛(大阪・堺女子)に苦しみながらも振り切り、昨年に続いての優勝を遂げた。

 橋本は「試合内容は悪かったけど…」と前置きしながら、「うれしいです」とニッコリ。決勝は自分よりかなり身長の高い相手で、第2ピリオドにバック投げという女子にはあまり見られない技で3点を失う苦しいスタートだった。しかし地力を発揮して逆転。8−3と差をつけて勝つことができた
(右写真)。ポイントを失ったのは反省材料だが、最後に勝って目標通りの2連覇を達成できて満足そう。

■身長が低いので、「動き回って闘うスタイルを目指す」

 中学3年生の時に福井クラブでレスリングを始めた。女子レスリング初期の頃は珍しくなかったが、最近ではほとんど聞かなくなった「プロレスラーになりたい」という理由から。

 安部学院の成富利弘監督の目にとまって高校で本格的にレスリングをするようになった。今回の高校2連覇のほか、2009年アジア・カデット選手権(インド)と今年のアジア・ジュニア選手権(中国)で優勝と、国際舞台ででも通用する実力も身につけた。世界の重量級の間に入ると身長が低いため、「動き回って闘うスタイルを確立したい」と、目指すスタイルも頭の中に入っている。

 今は、プロレスラーになりたいという夢は消え、「オリンピックを目指したい」という気持ちへ。奇しくも、日本の女子重量級を支えてきた浜口京子と同じコース。この先も同じコースを歩み、世界の頂点まで進むことができるか。

 重量級の振興は、男子のみならず女子にとっても課題のひとつ。カデットとジュニアでアジアを制した実力で、次代の女子重量級を背負ってほしい。



  ▲一覧ページへ戻る