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【特集】埼玉栄から23年ぶりのインターハイ王者! 66s級・保坂の快挙に野口篤史監督も感無量【2010年8月7日】

(文・撮影=池田安佑美)



 関東の伝統校、埼玉栄(埼玉)から23年ぶりにインターハイ王者が誕生した。66s級の保坂健が春の全国高校選抜大会(センバツ)に続いてインターハイを制覇。同高のインターハイ王者は1987年の石川宏明以来。埼玉栄に新しい歴史を刻んだ(左写真=保坂と野口監督)

 野口篤史監督にとっても、保坂のインターハイ制覇は記念づくし。「今年は監督20周年なんです。その年にやっとインターハイ王者を出せました」と、大汗を流しながら笑顔で話し、二重三重に喜びが広がった。

 準決勝は、昨年ベスト8の嶋田大育(青森・青森商)。昨年の2回戦で負けている相手だ。第1ピリオドは奪うが、第2ピリオドでは豪快にタックル返しを決められ、0−4で失った。「完全に負けパターンで、ヤバイ、どうしよう!」と焦り、以前から保坂の課題だった集中力が切れかけた。

 この“保坂病”を吹き飛ばしたのは、セコンドの野口監督。「攻めれば大丈夫だ!」と必死に保坂の迷いを消し去った。保坂は「野口監督の声が効いた」と、第3ピリオドも“生命線”のタックルを繰り出してテークダウンを奪う。そこからアンクルホールドを連発し6−0。テクニカルフォールで強敵を下した。

■秋田県人対決となった決勝を制す!

 決勝では、学校対抗戦準優勝校・秋田商の松田健悟主将と対戦した。保坂は秋田出身で、松田とはキッズ時代からよく知る間柄で、同郷対決となった。

 決勝戦の第1ピリオドは、互いに決め手がなく保坂がクリンチを制してリード。第2ピリオドの後半、勝負を分けたのは、やはり保坂のタックルだった。バックを奪って鮮やかに優勝を決めて見せた。

 優勝を決めると真っ先にセコンドの野口監督のもとへ駆け寄って笑顔で抱擁
(右写真)。「本当に、保坂は強くなったよ」と野口監督の目じりは下がりっぱなしだった。

 次の目標は10月の千葉国体。「自分が三冠王に挑戦しているなんて」と目を輝かせた保坂。同階級で頭抜けた力で、夢の三冠達成なるか―。



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