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男子両スタイルの全日本チームが、世界選手権へ向けて熱気ある合宿をスタート【2010年6月21日】


 男子両スタイルの全日本チームが6月20日、東京・味の素トレーニングセンターで世界選手権(9月6〜12日、ロシア・モスクワ)に向けての合宿をスタートした(右写真)。今年度に入って2度目で、27日まで行われる。

 佐藤満強化委員長(専大教)は合宿開始のあいさつで、「アジア選手権(5月・インド)ではグレコローマンの結果がふがいなかった。なぜ負けたと思う?」と選手に問いかけ、課題を持って合宿に取り組むことを要望した。今回の合宿は「ただただ強化するのみ」とシンプルなテーマ。全日本選抜選手権が終わって実戦から離れている選手が多いため、実戦的なメニューを組む予定だ。

 初日は午後4時から2時間半にわたって実戦的なトレーニングを積んだ。他競技の関係者が見学に来るほどに名物となった補強メニューも、通常通り行われた。

 世界選手権代表は、グレコローマン74s級の鶴巻宰(自衛隊)がけがのため欠席したが、前回、授業などで全日程欠席したフリースタイル60s級の小田裕之(国士舘大)が参加した。「まだ、世界代表の実感が沸いてない」と初々しさを見せたが、佐藤強化委員長からは世界で勝つためにいろいろ課題を挙げられている。「攻めが遅くて、アクションが少ない。だからクリンチになりやすい」が、そのひとつ。

 この課題を改善するために、この日も、田南部力コーチ(警視庁)と“ガチンコスパー”を何度も展開した。小田は「田南部コーチは、自分の悪いところをすべて教えてくれる」と話し、弱点を克服に自信を見せた
(左写真:田南部コーチとスパーリングする小田=赤。向こう側は佐藤強化委員長)

 前回の合宿に引き続き、世界ジュニア選手権(7月20〜25日、ハンガリー・ブダペスト)に出場する選手も参加。久木留毅コーチ(専大教)は「選手のことを知らないと、私たちも指導することができないから」と説明、佐藤強化委員長は「日本で最高の練習をしている場所ですから、ジュニアの選手にはすべてが勉強になるはず。正直、レベルは全日本トップと違いますが、この差を所属に持って帰って埋める努力をしてほしい」と話した。

 全日本チームはこの合宿のあと、7月7日から長野・菅平の高地で合宿。その後、一部の選手がゴールデンGP決勝大会(7月16〜18日、アゼルバイジャン・バクー)で実戦練習する。

(文・撮影=増渕由気子)

世界選手権代表決定後、2度目の全日本合宿。世界へ挑む選手がそろった。 JOCレスリング・アカデミーの江藤正基・専任コーチ(1983年世界王者)が松本隆太郎に指導。 5月下旬の合宿に続き、世界ジュニア選手権に日本代表選手も参加。


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