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【特集】菊池崚(青学大)が新人戦唯一の両スタイル制覇! ライバルと「もう一度闘いたい」【2010年6月18日】

(文・撮影=増渕由気子、JOC杯撮影=保高幸子)
 


 「春の新人戦を大学1年で両スタイル制するものは強くなる」―。スターへの第一関門となる東日本春季新人戦(6月8〜10日、東京・駒沢体育館)で、青山学院大1年生の菊池崚(茨城・霞ヶ浦高卒=右写真)が両スタイル制覇を成し遂げた。

 霞ヶ浦高では、学校対抗戦の重量級エースとして活躍。個人でも、2年生シーズン最初の全国高校選抜大会を生は。3年生の時に全国高校グレコローマン選手権84kg級で頂点に立ち、折り紙つきで青山学院大に入学した。

 今年4月のJOC杯ジュニアオリンピックではグレコローマン84kg級3位に入賞するも、1、2位に与えられる世界ジュニア選手権、アジア・ジュニア選手権の出場を逃したことで、「すごく悔しかった」と闘志に火がついた。

 周囲の励ましで気持ちを切り替え、5月の全日本選抜選手権では、青学大の先輩でもある尾曲伸乃祐(太気拳気功会=2008年学生二冠王)に勝利。昨年12月の全日本選手権でも3位に入賞した実力者を倒し、その勢いで、新人戦ではのびのびと力を発揮した。

■8月の全日本学生選手権で、細谷翔太朗(日大)と再戦か?

 高校時代の後半は、精神的なプレッシャーにつぶされることが多く、団体戦、個人戦とも、ライバルだった埼玉・花咲徳栄高の細谷翔太朗(日大)に何度も苦杯をなめさせられた。高校3年生の時は細谷に全敗。「あの時は、もう、対戦したくなかったです」と振り返る。

 細谷はJOC杯ジュニアオリンピックのフリースタイル84s級で2位に入り
(左写真)、新人戦はアジア・ジュニア選手権出場(中国)のために欠場した。すなわち、今回の両スタイル制覇は、苦手意識のある細谷が不在での両スタイル制覇だった。

 当然、手放しでは喜べない。「フリースタイルは、ボール(ピックアップ)の運がよかっただけ」と気を引き締めた。それでも、高校2年の関東高校大会以来のフリースタイルでのタイトル獲得に自信を取り戻した様子。苦手の細谷とも「しばらく試合をしてないので、もう一度闘ってみたいです」と話した。

 細谷は5月の東日本学生リーグ戦では74s級に落としたが、8月の全日本学生選手権(大阪)では、本来の84s級に出場することが予想される。菊池も「両スタイル出る」と、当面はスタイルを選ばずに強化に取り組む予定だ。

 2人の再戦は最短で全日本学生選手権になるだろう。霞ヶ浦vs花咲徳栄の激闘をしのぐ名勝負を見ることはできるか―。



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