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【特集】拓大と大接戦! 復活の道がスタート…国士舘大【2010年5月22日】

(文=保高幸子、撮影=矢吹建夫)
 

 東日本学生リーグ戦では、しばらく上位争いから遠のいていた国士館大が、A組で2位へ。1位の拓大とは120kg級まで粘って3−4で惜敗するなど内容もあり、光が見えてきた(右写真=国士舘大を支えた60kg級の小田裕之)

 試合前はかなりの苦戦が予想された。55kg級の利部裕は国体予選で負った首のねん挫から復帰したばかり。84kg級の佐藤良樹は大会2週間前にじん帯をのばしてしまった。そのため、和田貴広コーチは「まだ選手がそろっていない。けが人も多い」と、かなり厳しい結果も覚悟していたようだが、選手たちが見せたのは和田コーチの予想を上回るがんばりだった。

 1998年に準優勝して以来の決勝進出への望みは、3日目にして断たれていた。しかし最終日、A組2位を決める東洋大との決戦に競り勝った姿に選手たちの意地が見えた。

74kg級でエントリーした嶋田裕大は84kg級で出場し全勝、96kg級と120kg級も、強豪の多い中で2敗ずつしかしていない。「選手たちよくがんばりましたよ」と和田コーチ。また、74kg級と84kg級には3名の頼れる武器があり、利部がポイントゲッターとしての本領を発揮するようになれば、国士舘大学の復活の道は明るい。

 ただ、今回もチームを引っ張ったエース、60kg級の小田裕之は、このあとは世界選手権(9月・ロシア)やアジア大会(11月・中国)などがたてこんでくる。そうなれば、すべての大会に調子を合わせられるかは分からない。和田コーチは「いつまでも小田に頼りきりではダメです。王座(全日本学生王座決定戦=9月)、内閣(全日本大学選手権=11月)に向けて全員がひとつひとつの技術を磨いて確実に得点につなげるようにすることが必要ですね」と話す。

 大学の頂点への道はまだ遠い。しかし、かつて日体大、日大とともの学生の雄を争った片りんは見せてくれた。復活の道は、今年から本格的に始まったのかもしれない。


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