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55kg級・湯元進一が世界王者を撃破して金メダル、84kg級・松本真也も銅…アジア選手権第2日【2010年5月14日】


 【ニューデリー(インド)、増渕由気子】アジア選手権第2日は5月13日、インド・ニューデリーで男子フリースタイルの4階級が行われ、55s級の湯元進一(自衛隊)が今大会の日本選手初の金メダルを獲得した。

 湯元は1回戦でトルクメニスタン選手を破り、2回戦で元世界ジュニア王者のハサイン・ラヒミ(イラン)、準決勝で昨年の世界王者のヤン・キョンイル(北朝鮮)を撃破。決勝で昨年のアジア・ジュニア選手権2位のナシブ・クルバノフ(ウズベキスタン)を破って優勝した。

 男子フリースタイルのアジア選手権での優勝は、2008年55kg級の松永共広以来2年ぶり。

  84s級の松本真也(警視庁)は3回戦でカザフスタンに敗れたが、3位決定戦で台湾を破って3位。前日の96kg級・磯川孝生(徳山大職)続いて重量級にメダルをもたらした
(右上写真:金メダルの湯元=右=と銅メダルの松本)

  66s級の佐藤吏(ALSOK綜合警備保障)と120s級の下中隆広は、ともに初戦敗退。敗者復活戦には回れなかった。

 男子フリースタイルのメダルは「金1、銀1、銅2」の計4個。昨年の2個(銀1、銅1)を倍増させて日程終了となった。第3日は女子全階級が行われる。

 各選手の成績は下記の通り。




 ◎男子フリースタイル

 
【55kg級】湯元進一(自衛隊)     優勝=14選手出場

1回戦  ○[2−0(2-1,7-0)]Rejepov Ramil(トルクメニスタン)

 
《試合経過》 湯元は試合開始早々、バックポイントを奪われたが、1分37秒に相手のタックルをつぶして2点を獲得。2−1で逆転した。第2ピリオドは中盤に湯元が片足タックルで相手を場外に追い詰める。トルクメニスタンは一か八かの投げを打つが、湯元は落ち着いてつぶして3点をゲット。相手サイドのチャレンジしたが、認められず、さらに湯元に1点が追加。終盤にもタックルとローリングを決めて7−0で勝った。 

2回戦 ○[2−1(0-3,1-0,1-0)]Hassain Rahimi(イラン)

 《試合経過》第1ピリオドは見合ってクリンチへ。イランに優先権が出て、湯元は押し出されてしまった。第2ピリオドもクリンチとなり、今度は湯元に優先権が出る。だが、クラッチを十分にしてないとアテンションを2度連続取られて、一度はイランの勝利宣告がされそうになる。日本陣営は納得がいかずチャレンジ。当初、それも受け付けられなかったが、抗議を続ける日本。5分近くが経過し、日本の主張が通って、2度目のアテンションは構えが低すぎたイランとなる。仕切りなおしで行われたクリンチは湯元が決めて1−1。

 第3ピリオドは、イランが何度もタックルを試み、湯元は何度も足を触られるが、その度に切る。終盤、湯元が貴重な場外ポイントを奪って1−0で辛勝した。

準決勝 ○[2−0(1-0,2-1)]Yang Kyong-il(北朝鮮)

 《試合経過》 昨年の世界王者との一戦。第1ピリオドは0−0のあと、クリンチで優先権を取った湯元が奪う。第2ピリオド、北朝鮮は低空タックルから一本背負いで湯元の背後に回って1点。だが、33秒に湯元は片足タックルからバックポイントで同点。そのままアンクルに切り替えて1点を奪い、2−1で勝利した。

決  勝 ○[2−0(1-0,1-0)] Nasibu Kurbanov(ウズベキスタン)

 
《試合経過》第1ピリオドはお互いに見合う内容。ラスト5秒に仕掛けたウズベキスタンをうまくカウンターでバックに回った湯元が1点を獲得。第2ピリオド、ストレートで勝負を決めたい湯元は、こん身の片足タックルからテークダウンを奪って優勝を決めた。

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 【66kg級】佐藤吏(ALSOK綜合警備保障)     9位=15選手出場

1回戦 ●[0−2(0-1,0-4)]Navruzov Iikhtiyor(ウズベキスタン)

 
《試合経過》 第1ピリオド、佐藤は1分29秒にタックルで1失点。第2ピリオドはバックポイントを2度奪われ、最後は投げ技の失敗で、自らの回転を相手の2点とみなされて0−4で試合終了。相手のウズベキスタンが決勝へ進出せず、敗者復活へ回れなかった。    

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 【84s級】松本真也(警視庁)     3位=12選手出場

1回戦 BYE

2回戦  ○[フォール、2P(7-0,3-0)]Gabriel Yang(シンガポール)

 《試合経過》 開始早々、松本がタックルを奪い、ローリングなどの怒涛の攻撃で7−0とテクニカルフォールを奪った。第2ピリオドは20秒にバックポイントを奪うと、一気にフォールに持ち込み、勝負を決めた。

準決勝  ●[0−2(0-2,1-5)]Semyon Emyonov(カザフスタン)

 《試合経過》第1ピリオドは、タックル2回で0−2。第2ピリオドは、スタンドから潰されて3失点。ローリングも受けて0−5。最後、意地のバックポイントを奪うが1−5で終了。

3位決定戦 ○[2−0(7-0,6-0)]Lee Chen Fu(台湾)

 《試合経過》第1ピリオドは、松本が序盤からタックルやローリングなどで7−0とテクニカルフォール。第2ピリオドもタックルを皮切りに、ローリングを決める。中盤にタックルからのワンツー攻撃が決まって6−0と快勝した。
   
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 【120s級】下中隆広(国士舘大ク)     13位=9選手出場
       
1回戦  ●[0−2(0-1,0-6)]Aiaal Lazarev(キルギス)

 《試合経過》第1ピリオドは、0−1の僅差で下中が取られた。第2ピリオドは20秒にバックを奪われ、ローリングなどで一方的に攻められてしまった。キルギス選手は決勝に進まず、敗者復活戦へは回れなかった。


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