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【世界選手権代表決定選手】男子グレコローマン84kg級・斎川哲克(両毛ヤクルト販売)【2010年5月3日】

(文=三次敏之、撮影=矢吹建夫)
 

 男子グレコローマン84s級は斎川哲克(両毛ヤクルト販売)が2連覇を達成。全日本選手権に続いての優勝で、文句なしの世界選手権代表の座を獲得した。

 試合後のインタビュースペースで斎川は日本のグレコローマンの現状について、「84s級以上の選手が遠ざけられてしまっていて、軽量級の選手ばかりが注目されている印象がある。自分も北村(克哉=96kg級)も新庄(寛和=120kg級)先輩も頑張っている。大きい選手が活躍している姿を観客の人たちも期待していると思うんです」

 この階級の最強の座をほしいままにしている斎川の言葉だけに、重みを感じる。そんな斎川は、試合でも豪快っぷりを見せつけてくれた。決勝戦の相手は大学王者で全日本チームにも抜てきされた新鋭・天野雅之(中大)。“出る杭はたたく”かのごとく、天野の夢と希望を齋川が打ち砕いた
(左写真=決勝で闘う斎川)

 天野が突進して場外への押し出しを狙ってきたところを、見事な反り投げを決めて3−0。グラウンドうの攻撃ではガッツレンチで2ポイントを加点し、第1ピリオドは5−0で取った。第2ピリオドも斎川ペースで試合は進み、バックに回って1−0とし、リフトからの投げで3−0として完勝した。

 この完勝の裏には斎川の肉体改造も一つの要因に挙げられよう。「小平コーチ(清貴=警視庁)もわざわざ練習に来ていただいた。全身を使ったトレーニングに重点を置いてきました。以前は87〜88sだった通常体重が、今は92〜93sになりました。筋量が上がったと思っています。負荷をかけるトレーニングもやっています。いかにして一瞬の力で重い物を上げられるかということにもチャレンジしてきました」

 肉体改造だけでなく、瞬発力も持久力も向上したという斎川。「世界にいっても勝たなければ意味がない」という言葉は、世界のレベルを知っているからこそ発せられる言葉だろう。すべてが変わった斎川、今年は世界の檜舞台で活躍の予感大だ!


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