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【特集】“超激戦区”は1年生インターハイ王者の高橋侑希が優勝! 弟・拓也との兄弟Vも達成【2010年4月27日】

(文=増渕由気子、撮影=保高幸子)
 

 JOC杯ジュニアオリンピックの男子カデットの部フリースタイル54s級は、3月下旬に新潟市で行われた全国高校選抜大会55s級王者の高橋侑希(三重・いなべ総合学園高)が2連覇を達成した(右写真=決勝で闘う高橋)。下馬評どおりと思える部分でもあるが、この階級は今回のカデットの部で最大の激戦区だった。

 昨年1年生で全国を制した高橋だが、3月の全国高校選抜では優勝しながらも失点だらけでほろ苦い内容。高橋と一番の接戦を演じた黒澤翔(茨城・鹿島学園高)の株が大きく上がり、いまや“高橋キラー”の一番手と言われるほど。さらに、全国高校選抜大会の50s級王者の山崎達哉(東京・自由ヶ丘学園高)、同2位の太田忍(山口・柳井高)が54s級に参戦。高橋にとって、“政権”を維持するのに真価が問われる大会だった。

■一か八かの“ローリングつぶし”が対策も会得

 全国高校選抜大会でともに王者となり、高橋とJOC杯での対決を約束した山崎だったが、準々決勝で太田に1−2で黒星。太田が高橋への“挑戦権”を手に入れることになった。「太田君は、インターハイは55s級に出場と聞いてますので、その前に一度はやってみたかった」。8月の沖縄インターハイで連覇を視野に入れる高橋は、太田との対決を8月の前哨戦と位置づけた。

 高橋は第1ピリオドの前半、タックルで無難にテークダウンを奪う。追加点をもぎ取ろうとローリングに移行したところを、乗られて2失点。しかし後半1点を返し、ガッツレンチで逆転(ガッツレンチが浅く見えたため、太田のセコンドがすぐさまチャレンジしたが覆らず)。第1ピリオドは高橋が5−2で奪う。第2ピリオドも2−1とし、高橋がストレートで太田を下した。「最初は見すぎてしまったが、次は失点0で勝つ」と8月の2度目の対決に向けての目標を掲げた。

 続く決勝は、全国高校選抜ではフォールの体勢にまで持ち込まれた黒澤が相手。「選抜は勝たなくちゃという気持ちが出すぎてしまった。その部分は、監督にかなり修正されました」との言葉通りに、堅実な試合運びで1−0、3−1で勝って優勝。大会を連覇するとともに、来週行われるユース五輪アジア予選(ウズベキスタン)へ弾みをつけた。

 全国高校選抜大会より失点は減ったものの、高橋のローリングが強烈なことを逆手に、そのタイミングで一か八かで乗ってくること選手が多くなった。だが、高橋は「乗られない時と、乗られる時の違いが、今大会で分かった」と見極めがついたという。また一つ、成長した証だ。

 次の目標は、ユース五輪予選で優勝し、日本代表として(本戦の)シンガポールに行くこと。今まで親善試合の海外遠征しかしたことがないので、本格的な海外遠征は初めて。楽しみです」と目を輝かせていた。

■弟と刺激しあった結果、うれしい兄弟優勝も達成

 新潟での苦戦続きの全国制覇から、たった1ヶ月で落ち着いた雰囲気を見せた高橋。その理由は、同マットで行われたカデット・フリースタイル42s級に弟の拓也(いなべクラブ)が参戦していたことが大きかった。

 ジュニア最大級の大会でもあるJOC杯で、奇しくも同じマットとなったため、互いにセコンド付近から声を飛ばしあった。弟は順調に勝ち進んで優勝
(左写真=兄弟Vを達成)。弟の前でかっこ悪い姿は見せたくないとばかりに、いつも以上に高橋の気が引き締まったようだ。

 弟の拓也は、全国中学校選手権で2連覇し、高校1年でインターハイ王者になった兄を慕いつつも、「自分もそのようになりたい」とライバル心を抱いて練習を積んでいる。自身はまだ中学の頂点には立てていない。「6月の全中(全国中学生選手権)では、今度こそ勝って、また兄に近づけるようにしたい」と目標を掲げていた。


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