【パタヤ(タイ)】アジア選手権は5月3日、アンバサダ・シティホテル・パタヤで第2日が行われた。
女子55s級の松川知華子(ジャパンビバレッジ)は2回戦から登場し、危なげなく決勝に進出した。中国を相手に迎えた決勝戦でも無失点で最後はフォール。全試合フォール勝ちで2度目の優勝に花を添えた。
第1日にメダル3つを獲得した男子グレコローマンチームだったが、84s級・斎川哲克(両毛ヤクルト販売)、96s級・北村克哉(FEG)は初戦敗退。120s級の中村淳志(カンサイ)は、初戦を逆転フォール勝ちで突破したが、2回戦にイランにストレートで敗退。イランが決勝に進出したため、敗者復活の権利を得たが、キルギスの選手に敗れて、3位決定戦へ進めなかった。
これで男子グレコローマンは全日程が終了。日本は、金メダル1個、銅メダル2個を獲得した。第2日はメダルに手が届かず、昨年の国別対抗戦で3位だった日本は、国別対抗得点で4位と一つ順位を下げた。1位はイランの60点。2位は59点のカザフスタン。3位が韓国だった。
(文・増渕由気子)
開始早々、投げ技でテークダウンを奪われた斎川は、そのままグラウンドでも失点し0−6でピリオドダウン。第2ピリオドも押し負けて場外ポイントを奪われる。ここで起死回生の投げを打った斎川だったが、返されて得点ならず。残り30秒のディフェンスに回った斎川は、笛と同時にスタンドに戻したが、得点できずブザーが鳴った。
第1ピリオドを失った北村は、第2ピリオドのスタンドで相手を場外に投げて1点を獲得。優勢で始まったグラウンドではローリングからフォール体勢に持ち込むが、返されて2点を失うが、総合得点は上回った状況で、ラストピリオドに持ち込んだ。だが、タックルでバックを奪われ痛恨の1失点。そのまま追いつけずに終了。
開始直後の台湾選手の投げが完璧にかかる。グラウンドでもたついている間に、中村が体勢を入れ替えて、バックをとってローリングに持ち込むが、チェアマンが投げの得点を「5点」と修正。セコンドの松本コーチがすかさず、チャレンジの札を挙げるも、受け入れられず。第2ピリオド、スタンドで相手を差して、相手を翻弄。隙を見て投げを打ち、一度がぶられるものの、フォール体勢に持ち込み、逆転勝利。
第1ピリオド、スタンドはドローで終えたが、赤コーナーのイラン優勢で始まったグラウンドで4失点。第2ピリオドは、スタンドで3点タックルを食らって失点。その後、ローリングで0−7とされてしまった。
2回戦の相手・イランが決勝に進出したため、中村に3位のチャンスがめぐってきた。試合は序盤からバッティングの音が聞こえるほどヒートアップ。グラウンドでディフェンスに回った中村は、体をずらしてこらえるが、最後の3秒でローリングを受けてしまう。第2ピリオドは、相手の投げ技を潰してバックに回って1点を取った。勝負の第3ピリオド、中村はスタンドで前に出て、レフェリーがワンポイントコーションをチェアマンに要求するほどだったが、得点にならず。残り30秒のグラウンドで優先権を得た中村は、場外際でローリングを奪ったが、その後の処理が悪く、残り数秒でバックを取られ、終了ギリギリで2点ローリングを許して逆転負けした。
第1ピリオドから動きのいい松川は、相手にがぶらせて下からの攻撃で点数を重ねる。インドの選手も柔らかいレスリングで、体位を入れ替えようとするが、松川は追いかけてバックを離さない。第2ピリオドも相手が無理にがぶり返しに来たところを、うまく乗ってフォールした。
開始早々、両足タックルからテークダウンを奪った松川は、ニアフォール体勢からローリングでテクニカルフォールを奪う。第2ピリオドは、相手が無理に組んで、投げに来たところを潰してフォールした。
第1ピリオド序盤、松川は慎重に攻める。中盤に相手の腕を取って、テークダウンに成功。そこからグラウンド技でテクニカルフォール。第2ピリオドもバックを奪ってから一気にフォール体勢に持ち込んだ。