【パタヤ(タイ)】2009年アジア選手権は5月2日、アンバサダ・シティホテル・パタヤで開幕、男子グレコローマン4階級が行われた。55kg級の長谷川恒平(福一漁業)は、1回戦でカザフスタン、2回戦でベトナム、準決勝でイランの選手を下して決勝進出。決勝のインド戦も第2ピリオドでバックを奪って優位に進め、ストレート勝ち。初のアジア制覇に加えて、冬の欧州遠征から国際大会3大会連続の金メダルに輝いた。
60s級の佐藤亮太(日体大OB)は、2回戦からの登場でタイの選手に勝利したが、準決勝で中国に敗れた。3位決定戦では台湾を相手に快勝。日本代表初の公式戦で結果を残した。
66s級の藤村義(自衛隊)は、初戦でヨルダン、2回戦でキルギスタンと対戦し勝利したが、準決勝の韓国戦でフルピリオドの末、敗退した。銅メダルをかけた3位決定戦では強豪・イランと対戦。内容は悪くなかったが、勝負の詰めが甘く、ストレートで敗退した。
74s級の鶴巻宰(自衛隊)は、初戦(2回戦)のベトナム戦を難なく勝ちあがったが、準決勝の韓国戦で、1ポイントコーションを奪われ、1点を返したもののコーション差で敗れた。3位決定戦では、鶴巻本来の動きを披露。3点タックルなどでテクニカルフォールを奪った。
(文・増渕由気子)
(長谷川は青コーナー)第1ピリオドは得点できずに残り30秒のグラウンド戦へ。赤のカザフスタンがパーテレポジションで優位となったが、長谷川がこらえて1点を獲得した。第2ピリオドは、開始30秒で長谷川の一本背負いが決まって3点。その後も投げ技で3点を追加。ニアフォール体勢で継続し、7−0で最後はフォール。
第1ピリオド、スタンドの中盤に長谷川が投げ技から1点を奪う。優先権をもらったグラウンドでもローリングで5−0とした。第2ピリオドも、投げ技からのバックで1点、その後もつれたところでも1点を加算。スタンド残り数秒のところで、5点のリフト技を決めて試合終了。
第1ピリオドのスタンドは両者に得点なし。赤コーナーのイラン優勢からグラウンドを開始。イランのローリングを長谷川が上手く乗って2点を追加し、ディフェンス点をあわせて3−0で第2ピリオドへ。 第2ピリオドも、グラウンドでローリングをしっかり決めて快勝した。
第1ピリオドは、両者ともに無得点。グラウンドの攻防でディフェン側だった長谷川が獲得。第2ピリオドは、中盤に相手を動かしながらバックを奪って1点。これが決勝点となった。
第1ピリオドの中盤に相手を押し出して1点。残り30秒のグラウンドはパーテレポジションから攻めたが得点なし。第2ピリオドは、相手が投げに来たところで、バックを取って1点。その後グラウンドの攻防で、佐藤に4点、タイに2点が入る。スタンドに戻ってから、佐藤は2度目の場外ポイントを追加すると、最後は綺麗な胴タックルを決めて、7−2で大勝した。
第1ピリオドのスタンドは互いに無得点。赤コーナーの中国が優勢でグラウンドを開始。テクニカルポイントを奪えず、佐藤に1点が入り、第1ピリオドを奪取。第2ピリオドのスタンド残り15秒で、佐藤は投げの打ち合いからバックを許して1失点でピリオドをタイに戻される。勝負の第3ピリオドは、テクニカルポイントがなく、スタンド終了。第2ピリオドまでの総得点が両者同じのため、優先権はボールピックアップに。優先権は青の佐藤になるが、グラウンドでポイントを奪えずブザー。中国に1点が与えられて、佐藤は3位決定戦へ。
初日本代表にして国際大会初優勝は逃した佐藤だが、3位決定戦では4−0、5−3と難なくストレート勝ちを収め、3位入賞を果たした。(写真はありません)
藤村は第1ピリオドから積極的に攻めるが無得点。残り30秒のグラウンドは赤コーナーのヨルダンが攻撃側となったが、藤村はこらえて、さらにスタンドに戻ってから1点を追加して2−0で終えた。第2ピリオドの序盤、がぶりにいくように相手の横についてバックを奪う。その後、ポイントを重ねてテクニカルフォール勝ち。
序盤に腕取りからバックを取って1点。藤村優勢で始まったグラウンドは、ローリングのときに乗られて2−2と判定されるが、計3−1でピリオドを獲得。第2ピリオドは、得点がなく、キルギスタン優勢でスタートしたグラウンドを藤村が守りきって1点を獲得した。
第1ピリオドの中盤、韓国が打った一本背負いで藤村は3点を失う。だが、その後2点を返した。第2ピリオドは、1−0で藤村が獲得。勝負の第3ピリオドはグラウンドの攻防で5−4となったが、最後に1点を奪われ、ラストポイントで、韓国の手が挙がった。
(藤村は青コーナー)第1ピリオドを落とした藤村は、第2ピリオドもスタンドで何度も優位に立ちながら得点できず、グラウンドに。優先権を生かして、渾身のローリングを仕掛けるが、相手に上手く逃げられてしまう。この行為を「場外逃避」ではと日本チームはすかさずチャレンジ権を行使するが、認められずにイランに1点追加。結局0−2で第2ピリオドも落としてしまった。
第1ピリオドは場外ポイントと、グラウンドで確実にローリングを決めて獲得。第2ピリオドも、バックを奪うと、ローリングなどでテクニカルフォール勝ちを収めた。
第1ピリオド、0−0でグランド勝負になったが、赤コーナーの鶴巻は得点できず、韓国に1点が入って第1ピリオドを終了。第2ピリオドは、グラウンドで韓国が得点できなかったため、鶴巻が獲得。第3ピリオド、韓国はスタンドから前へ前へ攻める。スタンド残り15秒でレフェリーが韓国に1ポイントコーションを与える。その後、鶴巻が押し出しで1−1とする。韓国優勢で始まったグラウンドで、鶴巻は「コーションを取られたことを忘れていた」と痛恨のミス。攻めずに終わって敗退し、3位決定戦に回った。
第1ピリオドは、グラウンドの攻防を生かして鶴巻が獲得。第2ピリオドは、3点タックルからローリング、最後は、押し出しの1点を奪って、テクニカルフォール。ストレート勝ちで銅メダルを獲得した。