男子フリースタイルの全日本チームが欧州遠征に出発【2009年2月5日】



 男子フリースタイルの全日本チーム(右写真)は2月4日、成田発のトルコ航空で欧州遠征に出発した。7〜8日にアンカラで行われる「ヤシャ・ドク国際大会」に出場したあと、ブルガリアへ移動し、14〜15日にバルナで行われる「ダン・コロフ国際大会」に出場。17日に帰国する。

 選手団を率いるのは田南部力(警視庁)、井上謙二(自衛隊)の全日本チームの新任コーチの若い2人。初めて全日本チームの監督的な立場で参加する田南部コーチは「不安いっぱいですけど、それが選手に伝わらないようにしないとなりません」とやや緊張気味。「結果を求めつつ内容も充実させたい。佐藤満強化委員長の方針は攻撃レスリング。どれだけ攻撃できるか。1点をリードして、それで逃げ切るのではなく、2点目を取りにいくレスリングをさせたい」と言う。

 一方で、外国選手のコンタクトしての投げ技や返し技も「味わってほしい」という。「受けないことが一番いい。しかし、体で経験しなければ勉強にならない。課題を見つけるためにも、受けてみることも必要。恐れずに闘ってほしい」と言う。若い選手の多いチームだけに、「国際大会の雰囲気に飲まれないようにさせたい」とも話し、「強豪選手のアップの仕方など、いろんなことを学んできてほしい」と要望した。

 4年前のアテネ五輪後最初の全日本遠征では、55kg級の松永共広選手が「ヤシャ・ドク国際大会」と「ダン・コロフ国際大会」で連続優勝。ニュー全日本の力を国際舞台に示し、核となってチームを引っ張ることになった。田南部監督は「やはり核となる選手がほしい。練習の実力を出せば、絶対に勝てる」と話し、エース的存在の選手の出現も望んだ(左下写真=遠征の注意聞く選手たち。左端が井上コーチ、その隣が田南部コーチ)

 チーム最年少で、初の全日本遠征参加となる60kg級全日本王者の前田翔吾選手(日体大)は、愛知・星城高時代の米国とベラルーシ遠征以来の海外遠征。シニア初の国際大会が全日本の遠征となった。「緊張しています。でも、ふだん、世界で闘っている先輩の中で練習していますので、自信を持って闘いたい。勝ち続けなければ、ここ(全日本チーム)に残れない。気が引き締まる思いです」と闘志をふるい立たせた。

 大学の松本慎吾コーチ(正式には4月から)から「2大会とも優勝できなかったら、日本に帰ってくるな」と喝を入れられたという。高校時代に指導を受けた吉田沙保里選手からは「一緒に世界選手権に行こう」と言われているそうだ。世界で闘っている先輩からの激励を受け、「攻めます。0−0で終わったら負け、という気持ちで頑張ります」と気合を入れた。

 遠征メンバーは下記の通り。重量級の選手は学生選抜チームの米国遠征に参加しており、こちらの遠征には参加しない。


 【コーチ】田南部力(警視庁)、井上謙二(自衛隊)

 【55kg級】湯元進一(自衛隊)、稲葉泰弘(警視庁)

 【60kg級】前田翔吾(日体大)、大館信也(自衛隊)

 【66kg級】米満達弘(拓大=4月から自衛隊)、森川一樹(山梨学院大)

 【74kg級】長島和幸(クリナップ)、萱森浩輝(新潟・新潟県央工高教)


《iモード=前ページへ戻る》
《前ページへ戻る》