2006年世界王者ジョー・ウォーレン(米国)が日本でプロ・デビュー【2009年3月9日】



 男子グレコローマン60kg級で2006年の世界選手権で優勝したジョー・ウォーレン(米国、32歳)が3月8日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで行われた総合格闘技イベント「DREAM」のフェザー級GPトーナメント1回戦でプロ・デビュー。米国WEC(UFCの関連団体で軽量級を中心に興行している団体)の元世界バンタム級王者のチェイス・ビービ(米国)に1R終了時、ドクターストップで白星を挙げた。

 ウォーレンは2006年にパンアメリカン選手権と世界選手権で優勝。2007年ワールドカップででも個人優勝し、躍進していた米国グレコローマン・チームを代表していた選手。北京五輪代表の笹本睦選手とは2003年に1勝1敗の成績を残しているほか、北岡秀王選手ら数選手と闘ったことがある。

 しかし、2007年夏にドーピング違反で2年間の出場停止処分を受け、北京五輪への道が閉ざされた。その後、元五輪選手のダン・ヘンダーソン(米国)らレスリング出身の総合格闘家の多い「チーム・クエスト」で総合の練習を積み、日本でデビューすることになった。

 試合はビービのパンチにグレコローマン選手らしい上半身の強さで対抗。2度目のテークダウンのあと、パウンド(上からのパンチ)とひざ蹴りをさく裂させ、ビービは目の上をカットして出血。ドクターストップがかかった。「初めての闘いなので最初は緊張した。1ラウンドが終わる頃にやっとリラックスできて、2ラウンドで練習してきたことを出して勝つつもりだった」と、これからという時に試合を止められて残念そうだが、「勝ったことはうれしい。この経験をもとに、2ヵ月後はもっと成長した自分を見せられると思う」と話した。

 フェザー級GPには2回戦から山本KID徳郁選手が参加する。「私はレスリングのチャンピオンであって、総合のチャンピオンではない。今の段階では彼の方が上だろうが、私は1日ごとに成長している。彼のレベルに追いつき、決勝で闘ってみたい」と謙虚に話した。

 なお、今年夏には出場停止処分が解けるので、気持ちが出てくれば2012年ロンドン五輪を目指す可能性もあるという。


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