女子カデット選抜チームがスウェーデンから帰国【2009年3月13日】



 スウェーデンに遠征していた、女子カデットの選抜チームが3月12日、成田着のスカンジナビア航空で帰国した。遠征中に行われたクリッパン女子国際大会では、43kg級の登坂絵莉(富山・南星中)、46kg級の宮原優(東京・稲付中)、52kg級の田中亜里沙(埼玉・埼玉栄高)、65kg級の土性沙羅(三重・鎌田中)が優勝し、4つの金メダルを獲得。昨年の2個を上回った。そのほか、銀メダルが4個、銅メダルも4個獲得し全部で12個のメダルラッシュ(右写真=メダル獲得の選手たち)

 国別対抗戦でも37点をマークし、2位のロシア(21点)を大きく引き離して優勝。2月に行われたジュニア選抜チームのカナダ遠征に続いて、カデットでも好成績を収めることができた。

 奥野竜司監督(三重・一志ジュニア)は、「選手はいつもの実力を発揮しました。団体優勝できてよかった」と満足そうに総括。特に、初出場で初優勝を飾った52kg級の田中、初出場で2位となった坂野結衣(大阪・青山台中)など新しい力に手ごたえを感じていた。優勝した4選手は、いずれも「優勝が目標だった」と満足そう。いずれも「タックルがよく決まった」と日本のお家芸のスタイルで優勝したようだ。吉村祥子コーチ(エステティックTBC)は「遠征先での技術練習をよく吸収してくれた」と、タックルの精度向上を評価。レスリングのレベルが地元チームとの合同練習を含めた10日間の遠征でかなり上がったようだ。

 カデット世代のエースでもあり、今大会唯一の連覇を達成したJOCアカデミー所属の宮原は「外国選手はやりやすかった」とさらりと答えた。だが、外国選手から学んだこともある。コーチ陣と選手が口をそろえたのは「外国選手のパワー」。43kg級の登坂は「組んだり、がぶられたりすると、動けなかった」と話した。優勝した4選手はほぼ無失点だったが、失点は不用意にタックルに行って返されたり、相手の強引なパワーでタックルをつぶされ、バックに回られての失点だった。今後、外国人のパワーとどのように対処するかが課題となりそうだ。

 今大会は22人の大所帯での遠征に加えて、半分の11人が初の海外遠征だった。吉村祥子コーチは「カデットの年代をまとめるのは意外に難しいんです」と、遠征前は団体生活に不安があったようだが、「10日間の遠征で全員が5分前行動ができました」と、レスリング以外の面でも生徒たちに合格点を与えた。


◎優勝選手コメント(右写真=左から土性、登坂、宮原、田中)

 43kg級・登坂絵莉「この遠征は2回目の参加でした。試合では片足タックルが決まりました。外国選手に比べると力が弱いことが分かりました。組むんだり、がぶられたりすると動けなくなったりし、そこが課題です。4月から愛知・至学館高校に進学します。吉田沙保里選手との練習が楽しみです。今年の目標は全日本女子選手権で優勝することです」

 46kg級・宮原優「連覇できてうれしいです。去年は37s級で相手も軽かったけど、46s級になって相手も重くて、試合数も増えて、いろんな選手と対戦できたので、去年の優勝よりうれしいです。試合では片足タックルが決まりました。また、手が前に出てる選手には腕取りがよく決まりました。外国選手はやりやすかった。唯一の失点は5回戦のドイツ戦。第2ピリオドでバックに回られ、ラストポイントでリードされましたが、残り3秒、場外際でタックルを仕掛けて押し出しの1点を取りました。今年の目標は全日本女子選手権での連覇と、全国中学生選手権で優勝することです」

 52kg級・田中亜里沙「初出場で初優勝できました。優勝は予定通り。海外の選手は力が強かった。去年は全日本女子選手権で優勝し、JOC杯で2位、全国高校女子選手権で優勝し、天皇杯は3位でした。今年は全日本女子とJOC杯、高校女子の3冠を取ります」

 65kg級・土性沙羅「遠征の目標は優勝でした。去年、全国中学生選手権で優勝して、10ヶ月間、遠征を楽しみにしていました。遠征のために両足タックルの練習を積み、それが海外選手に通じました。今年の目標は、全中2連覇です」

(文・撮影=増渕由気子)


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