最大の激戦階級は59kg級…全日本女子選手権展望【2009年3月31日】



 4月4〜5日に東京・駒沢体育館で全日本女子選手権が開催され、キッズからシニアまで511人の女子選手が一堂に会する。シニアの部は9月の世界選手権(デンマーク・ヘルニング)の代表選考を兼ねており、日本代表を目指した闘いが展開される。

 見どころをさぐってみた(エントリー選手 ⇒ クリック、大会日程など ⇒ クリック、大会要項 ⇒ クリック=pdfファイル)。


 ◎シニアの部

 【48kg級】

 北京五輪銀メダリストの伊調千春は不出場。世界3位で全日本チャンピオンの坂本真喜子(自衛隊=左写真)に、世界ジュニア・チャンピオンで全日本2位の三村冬子(日大)がどこまで迫れるかが注目される。三村は3月21〜22日のワールドカップに出場、初のシニアの国際大会ながら、世界チャンピオンのクラリッサ・チャン(米国)を破る殊勲を挙げている。この勢い持ち込むことができるか。

 世界学生チャンピオンの内田奈美(東洋大)、アジア・ジュニア・チャンピオンの西のどか(早大)、44kg級でJOC杯ジュニアオリンピックを制した藤川千晶(早大)、2月のノードハーゲン・クラシック(カナダ)で優勝した長沼美香(中京女大)らが両者の争いに割って入れるか。


 【51kg級】

 世界V6の坂本日登美が引退した階級。全日本選手権では世界ジュニア・チャンピオンの堀内優(日大、当時京都・網野高=左写真)が制した。3月にはワールドカップ出場の機会をもらい3勝1敗の成績を残した。こうした経験をもって、ポスト坂本の地位を確固たるものとしたいところだ。

全日本選手権の決勝で敗れた甲斐友梨(アイシン・エイ・ダブリュ)のリベンジなるか。2006年世界ジュニア・チャンピオンの前原愛(関大職)、学生2位の大山礼佳(中京女大)、アジア・ジュニア3位の清水愛(東洋大)らが優勝争いに加わることができるか。


 【55kg級】

 アテネ・北京両五輪金メダリストの吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障=左写真)が8連覇を目指す。全日本2位でアジア・チャンピオンなどの実績のある松川知華子(ジャパンビバレッジ)、全日本3位の車屋綾香(日大)、2月のノードハーゲン・クラシック(カナダ)で優勝した嶋田実結(青森・青森商高)がどこまで迫れるか。


 【59kg級】

 昨年12月の全日本選手権を制したのは山名慧(中京女大=左写真)だが、その時に不出場だった世界チャンピオンの正田絢子(網野ク)がエントリー。真価が問われる。

 他にも強豪が目白押しで、最大の激戦階級と言える。全日本2位の中田絵理子(フォンテーヌ)のみならず、2008年アジア選手権3位の梶田瑞華(中京女大)、2008年世界ジュニア選手権3位の佐藤文香(中京女大)、2008年アジア・ジュニア3位の津田香耶(環太平洋大)、JOC杯優勝の渡利璃穏(中京女大)ら。優勝戦線に浮上できるか。


 【63kg級】

 昨年7連覇(通算8度目の優勝)を達成したアテネ・北京両五輪金メダリストの伊調馨は不出場。昨年10月に世界チャンピオンに輝き、全日本選手権でも勝った西牧未央(中京女大=左写真)が強さを見せつけるか。全日本2位の工藤佳代子(自衛隊)、世界学生選手権3位の高橋海里奈(早大)、2月のノードハーゲン・クラシック(カナダ)で優勝した歌田圭純(東京・安部学院高)がどこまで迫れるか。


 【67kg級】

 昨年優勝の西牧未央は63kg級へ出場。2007年世界5位の井上佳子(中京女大=左写真)が59kg級からこの階級に戻り全日本選手権で優勝している。優勝候補の筆頭となるだろう。

 全日本2位で世界ジュニア選手権3位の飯島千晶(日大)がその壁に挑む。


 【72kg級】

 第一人者の浜口京子は充電中のため、全日本選手権に続いて不出場。全日本選手権優勝の佐野明日香(自衛隊=左写真)と同2位の新海真美(アイシン・エイ・ダブリュ)の争いが続くか。昨年は67kg級で闘い新海が勝ち、全日本選手権は佐野が勝った。佐野は3月にワールドカップに出場し、五輪チャンピオンと対戦した経験を生かしたい。

 昨年優勝の鈴木博恵(立命館大)は、全日本選手権では新海に惜敗している。優勝を狙う力はある。


 ◎カデットの部

 昨年のアジア・カデット・チャンピオンの中から、46kg級の植野さくら(京都・網野高=43kg級で優勝)と56kg級の浜田千穂(東京・日工大駒場高=52kg級で優勝)が引き続きカデットでに出場してくる。植野は昨年の大会では阿部千波(愛知・至学館高)に敗れているが、JOC杯で勝って日本代表となった。阿部も同じ階級に出てくるので、決着戦となろう。

 今年3月のクリッパン国際大会(スウェーデン)優勝選手の中からは、43kg級に登坂絵莉(愛知・至学館高=当時富山・南星中)と52kg級に田中亜里沙(埼玉・埼玉栄高)が出てくる。60kg級に出場する菅原ひかり(愛知・至学館高)は全国中学生選手権2連覇の選手。いずれも注目される。 


 ◎スクールガールの部

 昨年40kg級で優勝し、今年3月のクリッパン国際大会(スウェーデン)カデット46kg級でも優勝した宮原優(JOC/レスリングアカデミー)が44kg級に出場する。全国中学チャンピオンの40kg級の奥野里菜(三重・一志ジュニア=37kg級で優勝)、62kg級の土性沙羅(三重・一志ジュニア=52kg級で優勝)の三重県勢の活躍はどうか。土性はクリッパン国際大会カデット65kg級でも優勝するなど実力は抜群。


 ◎キッズの部

 5・6年+40kg級の岡村優(だっぺクラブ)が04・05・07・08年に優勝しており、昨年の全国大会のチャンピオン。この大会5度目の優勝を目指す。5・6年40kg級の竹下薫(高松ク)は07・08年の全国大会チャンピオン。


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