【全日本女子選手権優勝選手】51kg級・堀内優(日大)【2009年4月6日】



 昨年の大会で準優勝した51kg級の堀内優(日大=当時京都・網野高)が全日本女子選手権初優勝を遂げ、念願の世界選手権出場を確実にした。

 昨年の大会で敗れた坂本日登美(自衛隊)は2008年世界選手権を制して引退。51s級の“絶対王者”といえた坂本が引退したことで、カオス(混沌)状態になると思われた階級だが、12月の天皇杯全日本選手権と今大会を堀内が連覇したことで、“ポスト坂本”の座には堀内が座ることになりそうだ。

 決勝戦の相手は甲斐友梨(アイシン・エイ・ダブリュ)。両者の戦いはスピーディーながら、力強い組み手争いからスタート。堀内が第1ピリオド残り時間20秒のところで、テークダウンで1ポイント奪って第1ピリオドを制した。第2ピリオドも一進一退の攻防が続く。甲斐の左足にフェイントをかけてタックルを狙う堀内。これを切ってみせる甲斐。組み手争いから、両者ポイントを奪えないまま第2ピリオドが終了した。

 ボールピックアップは堀内が獲得。甲斐の左足を抱え上げてテイクダウンに成功した堀内が1ポイントを獲得して堀内が全日本選手権に続いて栄冠を手にした。


 堀内優の話「天皇杯に続いて優勝できて、世界選手権の代表候補になれてうれしいです。決勝の相手は天皇杯の時と同様、甲斐選手でした。天皇杯ではフォールできなかったのですが、今回はクリンチになってしまったので反省しています。実は2月の終わりに肩を脱きゅうしてしまって、今もリハビリ中です。5月のアジア選手権(タイ)には出場できないと思います。世界選手権は初出場なので、プレッシャーもありますが、金メダルを獲って帰ってきます。(2012年ロンドン五輪には)55s級に上げて臨みたいと思います。そのために体を大きくしたい。4月から初めて実家を出て東京での生活が始まり、慣れないこともたくさんありますが、レスリングに集中できる生活を送りたいと思います」

(文=三次敏之、撮影=矢吹建夫)


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