男子グレコローマンチームがタイへ向けて出発【2009年4月29日】



 5月2〜7日にタイ・パタヤで行われるアジア選手権に向けて、男子グレコローマンの日本代表チームが4月28日、成田発の日本航空機でタイへ向けて出発した(右写真)。佐藤満・男子強化委員長(専大教)体制になってから初の大陸選手権に向けて、まずはグレコローマンが先陣を切る。

 全日本合宿では主将をチーム最年長のフリースタイル74s級の長島和幸(クリナップ)が務めている。グレコローマンの主将は特に決めていなかった。午前8時に集合したチームに伊藤広道監督(自衛隊)は、「全員がキャプテンのつもりでやってほしい」とゲキを飛ばし、それぞれの自覚を奮い立たせた。

 昨年の北京五輪を最後にグレコローマン選手から引退した松本慎吾(日体大教)は、今回初のナショナルコーチとして遠征に帯同する。「オレ自身、もう選手じゃなくコーチなんだから、オレに気を使うことなく(何でも)言ってきてほしい。その方がコーチとしてうれしい。マッサージでも何でもいいから気軽に。その分、マットの上では全力で暴れてほしい」と、選手からコーチとしての立場の変化を選手たちに再確認させ、チームのために奔走することを誓った。

 4月の中旬、タイのパタヤは政局が不安定となり、アジア選手権の開催が微妙になったが、予定通り行われる。すでにチームに不安そうな顔をしている者は一人もいない。「目標は優勝に超したことはないが、攻めるレスリングを追及することが最優先」と伊藤監督。新生・JAPANの先駆けとして期待が高まる。

 冬の欧州遠征で2つの金メダルを獲得し、新生・JAPANのエースに成長した55kg級の長谷川恒平(福一漁業)は、すでに減量に入っており、「あと3kgくらいです」と調整も順調のようだった。タイは現在夏季で気温は平均30度。しばしば35度にもなる。「暑いとバテる」と気候の変化を警戒していた。昨年は初の代表入り後の公式戦が、いきなりの北京五輪予選だった。「昨年は緊張していた。今年は伸び伸びやりたい」と力を出し切ることを宣言した。

 29日は女子チームが、30日は男子フリースタイル・チームがそれぞれ出発する。


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