稲葉泰弘(警視庁)が銀メダル獲得…ゴールデンGP決勝大会最終日【2009年7月20日】



 【バクー(アゼルバイジャン)、ビル・メイ記者】国際レスリング連盟(FILA)が主催する賞金大会、ゴールデンGP決勝大会「ヘイダリ・アリエフ・メモリアル大会」最終日は7月19日、アゼルバイジャン・バクーで男子フリースタイルが行われ、55kg級の稲葉泰弘(警視庁)が決勝へ進んだものの、北京五輪5位のナミク・セビドモフ(アゼルバイジャン)に0−2で敗れ、銀メダルに終わった(右写真)。賞金は5000ドル(約47万円)。

 稲葉は初戦の2回戦で2004年世界学生王者のイラン選手を破り、3回戦では アドカン・アチロフ(ウズベキスタン)を無失点で破った。準決勝で北京五輪7位のリズバン・ガジエフ(ベラルーシ)を破って決勝に進んだ。

 74kg級の萱森浩輝(新潟・新潟県央工高教)は初戦の2回戦でカザフスタン選手に敗れ、敗者復活戦へは回れなかった。

 各階級の成績は下記の通り。


 ◎男子フリースタイル

 【55kg級】稲葉泰弘(警視庁)      2位=17選手出場

1回戦  BYE

2回戦 ○[2−0(2-0,3-1)]Yaser Khalpour(イラン)

 《試合経過》2004年世界学生チャンピオンに対して、昨年世界学生チャンピオンになった稲葉が文句なしのレスリングを見せ、相手のタックルをよく止めてバックに回り、一方的な勝利をおさめた。

3回戦 ○[2−0(3-0,2-0)]Adcham Achilov(ウズベキスタン)

 《試合経過》元アジア・チャンピオンに対して稲葉がフェイントを多用するなど動きのいいレスリングで攻めた。片足タックル、足首取りのタックル、またゴービハインド3度など楽勝だった。

【2回戦1P】新旧学生王者対決。稲葉(青)がまたさきで攻める。 【2回戦2P】稲葉は相手を崩し、バックに回ってポイントを加えた。 【3回戦】田南部力とも闘ったことのあるベテランにタックルの稲葉(青)。 【3回戦】第1・2ピリオドともよく攻めて快勝の稲葉。

準決勝 ○[2−1(1-6,1-1,2-0)]Rizvan Gadshiev(ベラルーシ)

 《試合経過》ガジエフは北京五輪7位の選手。稲葉選手がバックを許して、腕取りのローリング2度を受けてしまい、第1ピリオドはテクニカルフォール負けに近いスタート。第2ピリオド、ガジエフがすぐ両足タックルを取ったが、稲葉はバック回って1点を取り、1−1のラストポイントによって勝った。第3ピリオドは稲葉のペースになり、ローシングルを取り、アンクルホールドで返して2−0。そのままのスコアで守り切り、決勝進出を決めた。

【準決勝1P】タックルを決められた稲葉(赤)はローリング2回転も受ける。 【準決勝2P】1−1のあと、タックルを受けた稲葉だが、タイムが先で命拾い。 【準決勝3P】決着のピリオドは稲葉が主導権を取って攻めた。 【準決勝3P】アンクルホールドも出て快勝。決勝進出を決めた。

決 勝 ●[0−2(0-1,0-3=2:07)]Namik Sevidmov(アゼルバイジャン)

 《試合経過》北京五輪5位の選手相手に、稲葉は相手を崩すことができず、ポイントを取るチャンスが少なかった。第1ピリオド、両者の動きと組み手はイーブンだったが、中盤に稲葉の緊張がややゆるみ、その瞬間、押し出されてしまった。残り時間、必死に攻めたが、ポイントを取れなかった。第2ピリオド、同じ様な流れで、稲葉が相手を外に出して場外ポイントと思われたが、審判団の判定はノーポイント。0−0で終わり、ボールピックアップの結果、セブディモフ攻撃権。1回フライング。2度目のスタートで稲葉が持ち上げられ、背中からマットに落とされた。日本陣営はセブディモフがグリップを完全に握っていなかったとしてチャレンジ(ビデオチェック要求)したが、ビデオチェックでも認められなかった。

【決勝1P】金メダルを目指して北京五輪5位と闘う稲葉(赤)。 【決勝1P】攻めあぐみ、攻撃の糸口を見つけられない。 【決勝2P】投げ合い。このあと相手の手が場外についたが、ノーポイント。 【決勝2P】クリンチの防御となった稲葉。最初は相手のフライングだったが…。

 【74kg級】萱森浩輝(新潟・新潟県央工高教)      18選手出場

1回戦  BYE

2回戦 ●[0−2(0-1,0-2)]Seifaddin Osmanov(カザフスタン)

 《試合経過》一昨年のアジア3位の選手に対し、萱森はその固いデフェンスを破れなかった。攻めるチャンスが作れず、第1ピリオドに片足タックル、第2ピリオドに両足タックルなどを許してしまった。アスマノフが3回戦で敗れ、萱森に敗者復活戦に回るチャンスが消えた。

【2回戦】ウズベキスタン選手にタックルを決められる萱森(青)。 【2回戦】終始攻めあぐんだ萱森。上位進出ならなかった。

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