ゴールデンGP決勝大会出場の選手が帰国【2009年7月22日】



 アゼルバイジャン・バクーで行われたゴールデンGP(グランプリ)決勝大会に出場した男子チームが7月21日、トルコ航空で帰国した。冬の欧州遠征、5月のアジア選手権に続いて国際大会4大会連続優勝を飾った新生ジャパンのエース、グレコローマン55kg級の長谷川恒平(福一漁業)と、2012年ロンドン五輪のホープ、フリースタイル55kg級で銀メダルを獲得した稲葉泰弘(警視庁)がメダルを持って笑顔で成田空港のゲートを出てきた(右写真=前列中央右が長谷川、左が稲葉)

 今大会は、優勝賞金1万ドル(約94万円)とレスリング史上最高の賞金大会となり、北京五輪出場選手が多数参加するなど、レベルは高かった。その中で2人も表彰台に上がったことで、佐藤満強化委員長(専大教)は、「まだまだ直すところもあるが、(世界選手権の)表彰台が見えてきた」と、9月の“本番”(9月21〜27日、デンマーク・ヘルニング)でのメダル獲得が現実味を帯びたきたことをにおわせた。

 ただ、稲葉は国内選考で敗れて世界選手権に出場できないため、今大会が自身にとっての“世界選手権”だった。その中での2位は不満も残ったようで、「銀メダルだから…」と写真撮影を拒む一幕もあった。だが、稲葉も北京五輪出場者を破るなど価値ある表彰台。ロンドン五輪で悲願の金メダルを目指すためには、いいステップになったことに違いない。

 なお、金メダル3個を取った女子チームは前日の20日にアエロフロート航空で帰国。木名瀬重夫監督(日本協会専任コーチ)は「3選手が優勝し、1人が銀メダル、2人が銅メダルと、結果的にはまあまあだが、優勝した選手も含めて反省するべきところも多かった。世界選手権までに攻撃力をアップすることが必要」と厳しく評した。レスリング選手に共通することと前置きしたうえで、「返されるのが怖くて、思い切って入っていけないことが多い」そうで、北京五輪前に吉田沙保里選手が闘った“タックル返しに対する恐怖心との闘い”が、世界選手権までの課題だという。

 「(コーチとして同行した坂本)日登美はもどかしく見ていたんじゃないかな。日登美はいろんな工夫をして、攻めに攻めるレスリングをやっていたから」と話し、坂本コーチ(自衛隊)のような攻撃レスリングをしてほしいと注文した。

 選手は帰国翌日の21日から新潟・十日町市で始まった全日本合宿に参加し、休む間なく世界選手権へ向けての練習に入った。


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