【特集】霞ヶ浦のV20の金字塔なるか!? 花咲徳栄のリベンジか…インターハイ学校対抗戦見どころ【2009年7月31日】

(文・撮影=増渕由気子)



 高校の日本一を決めるインターハイが間もなく始まる。今年は8月3〜6日に奈良・奈良中央体育館で開催される。学校対抗戦で過去19回の優勝を遂げているレスリング界の雄、霞ヶ浦(茨城)が、今年優勝すれば節目となる20度目の王者となる。大沢友博監督は今大会を監督の集大成として臨んでおり、昨年から大会のの度に「20回目の優勝を飾る」と口にするなど気合十分だ。

 2007年夏から08年にかけては、新興チームの台頭で全国大会・地区無冠という屈辱を味わうものの、わずか2ヶ月で立て直し、昨年のインターハイで復活優勝を飾った。高校二冠王者の森下史崇など昨年のレギュラー選手5人が今年も健在なのが強み。今年3月の風間杯全国高校選抜大会では、初戦の2回戦から決勝までの5試合中、喫した黒星がわずか1つと過去まれにない大勝で優勝を飾った。

 6月の関東大会では、その疲れが出たのか「チームの状況は良くありません」と顔をしかめた大沢監督だったが、きっちり優勝(右写真)。それから約2ヵ月間で選手の再調整をどのように行ったのかが見どころだ。関係者によると「けが人もなく、準備は順調に整っています」とのこと。悲願のV20は達成されるだろうか。

■84kg級と120kg級でポイントゲッターを抱える花咲徳栄

 霞ヶ浦の一番の対抗馬となりそうなのが花咲徳栄(埼玉)だろう。全国高校選抜大会では鹿屋中央(鹿児島)に3−4と惜敗したが、花咲徳栄は霞ヶ浦に確実に2勝できる2枚看板がある。それが、84kg級の細谷翔太朗と120kg級の岡倫之だ。

 細谷は、今年1月の関東高校選抜大会の学校対抗戦で霞ヶ浦の菊池崚に敗れたものの、翌日の個人戦で初白星を挙げると、そこからは全国高校選抜大会、関東大会と個人戦で3連勝している。細谷を成長させたのは主将という責任感だ。「主将になったんだから、自分がしっかりしなければいけない」と自覚を持って競技に取り組んだ結果が今シーズンの好調に繋がっている。

 岡は、霞ヶ浦の前川勝利に一度も負けたことがない。花咲徳栄が霞ヶ浦から軽中量級で2勝をもぎとって細谷がつなげれば、優勝の可能性が見えてくる。高坂拓也監督は「けが人もなく仕上がりは順調」と話し、2年連続決勝の舞台へ進んでのリベンジに燃える。

 他に霞ヶ浦を脅かす存在になるのは、重量級に勝負を持ち込めて、なおかつ120kg級に頼れる大将がいるチームだろう。昨年のインターハイ120kg級準優勝の村木孝太郎を擁する栗東(滋賀)や、今年の高校選抜120kg級優勝の岡を団体戦で破った明野達也擁する鹿屋中央あたりが番狂わせを演出できるか。

 地元奈良からは大和広陵と天理教校学園の2校が出場。いずれも3月の全国高校選抜大会には不出場だが、地の利を生かして上位進出を目指す。


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