復帰の浜口京子(ジャパンビバレッジ)は5位…ポーランド・オープン第1日【2009年8月14日】



 【ワルシャワ(ポーランド)、樋口郁夫】女子のポーランド・オープンは8月13日、当地で開幕。女子72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)が昨年10月の東京・世界選手権以来約10ヶ月ぶりに復帰出場、準決勝で世界V3のスタンカ・ズラテバ(ブルガリア)に0−2で敗れ、3位決定戦でも2004年アテネ五輪銀メダリストのグゼル・マニュロバ(ロシア)に0−2で敗れ、5位に終わった(右写真=世界V3のズラテバと闘う浜口)

 浜口は1回戦で今年欧州3位のスビトラーナ・サイェンコ(ウクライナ)を2−0で下す上々のスタート。2回戦でも若いマリアナ・ガスティル(オーストリア)に失点を許さず2−0で勝った。

 準決勝はズラテバと1年11ヶ月ぶりの再戦へ。第1ピリオドにズラテバ必殺の飛行機投げを受けてしまい、0−6のテクニカルフォール負け。第2ピリオドも前半の失点が響き、後半追い上げたものの2−4で敗れた。マニュロバとの3位決定戦は第1ピリオド、タックルとレッグホールドを決められて1−3で取られ、第2ピリオドはクリンチの有利を生かせずに敗れ、メダルに手が届かなかった。

 各試合結果・経過は下記の通り。


試合を控える浜口京子(左)と14日に闘う永島(旧姓山本)聖子。 観客席には浅草応援団のほか、地元の人たちも。日本大使館からの情報で知ったという。 3位決定戦に負けたあと、応援してくれた人にお礼をして引き上げた浜口。 72kg級の優勝は世界V3のズラテバ。あと3年間で追いつけるか。

 【72kg級】浜口京子(ジャパンビバレッジ)         5位=16選手出場

1回戦 ○[2−0(2-0,1-0)] Svitlana Sayenko(ウクライナ)

 《試合経過》浜口は第1ピリオド開始13秒、回り込んで1点を先取。1分6秒にも脚を取って押し倒し2−0とした。第2ピリオドは1分9秒に引き落として1点を取り、相手の攻撃をしのいで1−0で勝った。

約10か月ぶりのマット。アテネ五輪3位決定戦の相手のサイェンコが相手。

開始13秒、浜口が相手を崩してバックを取って1点。これで硬さが取れた? 中盤にも相手の左脚を取り、押し倒して1点。2−0で第1ピリオドを取る。

第2ピリオド中盤、引き落としてバックを取り、1−0とリード。

復帰第1戦を勝利で飾った浜口。


2回戦 ○[0−2(1-0,2-0)]Mariana Gastil(オーストリア)

 《試合経過》第1ピリオド、お互いに決定力がなく一進一退の攻防が続いた。ラスト20秒、浜口がすばやく回り込んで貴重な1点を獲得。1−0でこのピリオドを取った。第2ピリオドは浜口が52秒に引き落として1点を獲得。1分30秒に右足首をつかまえられたが、引き抜いて0点。終了間際に回り込んで1点を取り、2−0とした。

1回戦白星のあと、2004・05年欧州ジュニア・チャンピオン相手に第2戦。 第1ピリオドの終盤、回り込んで貴重な1点。このピリオドを先制した。 第2ピリオド中盤、引き落としてバックに回り込み、このピリオドも1点を先取。

第2ピリオド1分30秒すぎ、足首を取られたがすぐにエスケープ。 1−0のあとも攻撃の手をゆるめず、終了間際に1点を加えた。 2回戦も勝利。いよいよ世界V3のスタンカ・ズラテバとの勝負。

準決勝 ●[0−2(TF0-6=1:12,2-4)]Stanka Zlateva(ブルガリア)

 《試合経過》第1ピリオド開始早々、浜口はがっちりがぶられ、場外に押し出されて1失点。再開後、ズラテバが圧力をかけて場外に押し出そうし、浜口が必死に押し返したところをタイミングよく飛行機投げを受けてしまって3失点。そのままフォールのピンチを迎えたが、必死に逃げた。しかし5秒以上押さえこまれたため1点が加わり0−5。1分10秒すぎにバックを取られ0−6のテクニカルフォール。

 第2ピリオドも浜口は1分までに3度バックへ回られ0−3と劣勢。1分20秒すぎ、ズラテバのタックルをかわして1点を返し、1分46秒にもバックを取っれ2−3と追い上げグラウンドでポイントを狙った。しかし残り時間を見る余裕のあったズラテバにがっちり守られ、終了間際には体を入れ替えられて2−4とされた。

開始15秒、ズラテバ(赤)はしっかりがぶって浜口を場外へ押し出した。 ズラテバはがぶられながら圧力をかけ、浜口は場外際で必死の防戦。 浜口が押し返したところをズラテバが飛行機投げ。教科書通りの理詰めの攻撃だった。 あわやフォール負けのピンチの浜口。死力を振り絞って耐えたが、この後0−6へ。

アニマル浜口さん、弟・剛史さん、母・初枝さん(左後方)と家族が一丸となって応援。 第2ピリオド、横から攻めた浜口だが体を入れ替えられて1失点。 ズラテバのがぶりからの強烈な引き落として、さらに1点を失う。 攻撃をやめないズラテバ。右脚への片足タックルから1点を加え3−0へ。

0−3とされてもあきらめなかった浜口。場外際で押し倒して1点。意地を見せる。 さらにズラテバの動きを封じ、バックを取って2−3へ。勝利への執念を見せた。 グラウンドでの加点を狙った浜口だが、終了間際に体を入れ替えられ2−4へ。 1年11ヶ月ぶりの再戦はズラテバの手が上がったが、浜口は最後に意地を見せた。

3位決定戦 ●[0−2(1-3,0-2=2:16)]Guzel Manurova(ロシア)

 《試合経過》第1ピリオド中盤、浜口はがぶられてバックへ回られ1点を失う。レッグホールドを受けてしまい2失点。すぐにバックを取って1−3としたが、そのままのスコアで終了。第2ピリオド、お互いに決定力に欠き、0−0で2分間を終了。ボールピックアップでクリンチの攻撃権を得た浜口だが、引きつける前にしっかり防御され、横に回られてエビ固めに返され、2点を失ってしまった。

 銅メダルをかけてマニュロバと相対した浜口。初顔合わせだ。  がぶられたあと、エビ固めを狙われ1点を失った浜口。 マニュロバ得意のレッグホールドで2失点。すぐバックを取り1−3へ。  気を取り直して第2ピリオド。しかし、なかなか攻撃ができない。

 タックルをこらえる浜口。攻撃を受ける展開が多かった。  クリンチの攻撃権を得た浜口だが、マニュロバにがっちり守られた。 最後はエビ固めで返され2失点。有利な体勢を生かせなかった。  約10か月ぶりの実戦はメダルなし。ここからはい上がれるか。 


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