【特集】鉄壁のディフェンスで大会連覇と今季2冠目を獲得…花山和寛(愛媛・八幡浜工)【2009年8月19日】

(文・撮影=増渕由気子)



 全国高校グレコローマン選手権の前半戦が終了し、66s級の花山和寛(愛媛・八幡浜工)が大会連覇を達成。8月の奈良インターハイに続いて今季二冠目を獲得した(右写真=花山と八幡浜工の栗本秀樹監督)

 3月の風間杯全国高校選抜選手権では、決勝で砂川航祐(茨城・霞ヶ浦)に敗れて2位だったが、インターハイでは砂川にリベンジして初優勝。「グレコローマンも得意なので」と、わずか2週間後のこの大会にも疲れを見せずに参戦し、83名がエントリーしたトーナメントを制した。

 両スタイルで高校のトップに立った花山。腰が重くて受けが強いスタイルだが、得意技を問われると、無言に。「……。技というより、ディフェンスで勝ちました」と、鉄ぺきの防御を武器にしてタイトルを奪取した。

 とはいえ、準決勝までを闘った大会第1日は、フォールの体勢に持ち込まれた試合が2試合あり、仲間たちをヒヤリとさせた。この大会は各都道府県から2選手の参加が認められ、高校の大会の中で最もエントリー数が多い。決勝までに1日5、6試合を勝ち抜かねばならないため、勝つためにはまず体力が要求される。「1、2回戦で体力を使わないようにしたつもりでしたが、バテてしまった」と花山が振り返るように、冷夏とはいえ、夏場の連戦が体にこたえたようだ。

 その反省を踏まえて、決勝戦は万全の体制で臨んだ。しかし、今度は精神的に追い詰められる。奈良インターハイで、ともに優勝を飾った同期の60s級・近藤達矢が花山の目の前で負けてしまった。「ショックだった」と動揺はしたが、集中力を高めて試合に没頭。青コーナーの花山は、第1ピリオドのグラウンドの防御をしっかり守って1点を奪取。第2ピリオドも手堅く攻めてストレート勝ちを収めた。

 将来はフリースタイルを専門に考えているが、9月の新潟国体にはグレコローマンで挑む。「スタンドで3点を取れるようにしたい」とビッグポイントにつながる大技獲得を今後の目標に掲げていた。


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